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【2025年最新】マンションのフルリフォーム費用相場は?補助金・注意点・後悔しない業者選びも解説

  • 最終更新日:2025-09-05

【2025年最新】マンションのフルリフォーム費用相場は?補助金・注意点・後悔しない業者選びも解説

マンションのフルリフォームは、今の住まいの不満を解消し、理想の暮らしを実現できる方法の1つです。しかし、どのくらいの費用がかかるのか、どんな点に注意すれば良いのかなど、疑問を感じて、なかなか一歩を踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、マンションのフルリフォームにかかる費用の相場から、利用できる補助金・減税制度、工事の注意点、そして後悔しないリフォーム会社選びのポイントまで解説します。関西を中心に各地にショールームを展開し、リフォーム全般を数多く手掛けるナサホーム逆瀬川店店長・仲さんに、フルリフォームの費用やマンションならではの注意点などについてお話を伺いました。

目次

マンションのフルリフォームとは?

マンションのフルリフォームとは、一般的に住戸全体を対象とした大規模な改修工事を指します。間取りの変更や水回りなどの設備交換、内装の一新など、多岐にわたる工事が含まれます。

フルリフォームとリノベーションの違い

リフォームと似たような意味で使われるリノベーションという言葉があります。リフォームもリノベーションも、どちらも住宅の改修を指す言葉ですが、リフォームは主に原状回復や機能改善の意味で使われることが多く、リノベーションは機能性の向上や新しい価値を創造するような改修を指す場合に用いられるのが一般的です。ただし、どちらの言葉も明確な定義があるわけではなく、使われる文脈などによって意味合いが変わることがあります。
今回の記事では、原状回復を目指すような表層的なリフォームから、スケルトン状態にして一から住まいを見直す大胆な改修まで、住戸の全体的な改修を幅広くフルリフォームと捉えて解説していきます。

フルリフォームと部分リフォームの違い

フルリフォームが住戸全体を対象とするのに対し、部分リフォームは、お風呂だけ入れ替えたり、壁紙だけ張り替えるといった、特定の場所や設備など、住戸の一部分のみを改修する工事です。
部分リフォームに比べてフルリフォームは費用も時間もかかりますが、住まい全体を統一感のある空間にでき、老朽化した箇所をまとめて改修できるといったメリットがあります。

フルリフォームでできること

フルリフォームは自由な発想で、住まいを刷新することができます。
設備交換や内装を一新するだけでなく、例えば、リビングと隣接する部屋をつなげて広々としたLDKにしたり、部屋数や収納を増やすことも可能です。家族構成やライフスタイルに合わせた最適な間取りを実現できます。

マンションのフルリフォーム特有の注意点

フルリフォームでできることはたくさんありますが、一方で、マンションのフルリフォームの場合は一戸建てのリフォームとは異なる、マンション特有の注意点があります。

リフォーム工事が可能な範囲に注意(専有部分・共用部分)

マンションには専有部分共用部分があり、リフォームができるのは原則として専有部分のみです。
まず、専有部分とは各住戸の内部空間を指し、壁、床、天井、間仕切り壁、室内ドア、キッチン、浴室、トイレなどの設備がこれにあたります。これらの部分は、基本的に所有者の判断でリフォームが可能です。
一方、共用部分とは専有部分以外のところを指します。例えば、玄関ドアやバルコニー、窓サッシなどはその住戸の住人が専用に使用する部分になるため専有部分と勘違いされがちですが、これらは共用部分であるため、個人の判断だけでリフォームすることはできません。

「マンションの管理組合に許可をとれば、サッシやガラスなどを実費で交換したり、玄関ドアの室内側の部分を塗装したりすることは可能な場合もありますが、原則として共用部分のリフォームは認められていません」(ナサホーム・仲さん、以下同)

共用部分に釘を打ち込んだり傷をつけたりするリフォームでなければ、認められるケースもあり、例えば、バルコニーへの固定の必要のない置き式のウッドデッキ設置などは問題ないケースも多いようです。しかし、共用部分のリフォームは原則として認められていないため、リフォームを検討する際は、どの範囲が専有部分で、どの範囲が共用部分なのかを事前に理解しておくことが重要です。

マンションのバルコニーのイメージ
住戸の住人しか使わない部分でも、マンションのバルコニーなどは共用部分に当たるので要注意(画像/PIXTA)

構造によるリフォーム制約(ラーメン構造・壁式構造)

マンションの構造も、リフォームの自由度に大きく影響します。
マンションの主な構造はラーメン構造壁式構造の2種類があり、ラーメン構造は柱と梁で建物を支える構造で、壁式構造は壁そのものが建物を支える構造です。

「ラーメン構造の場合は壁が建物を支える役割を担っていないため、壁を撤去して広々とした空間を作ったりすることも可能ですが、壁式構造の場合は耐力壁と呼ばれる構造上重要な壁は撤去できません。比較的最近のマンションの場合はラーメン構造の場合が多いのですが、古い団地などの場合は壁式構造のものもあり、その場合は間取り変更の自由度がラーメン構造に比べて制限される場合があります」

中古を購入して間取りも一新するようなフルリフォームをしたいと考えている場合は、購入検討の段階で建物の構造を事前に確認することが不可欠です。購入するマンションの構造の種類は、新築分譲時に作成された販売用の図面などで確認できる場合がありますが、中古の場合は図面がなかったり、専門的な知識が必要なケースも多いため、不動産会社や建築士、リフォーム会社などに事前相談し、構造の種類とリフォームの可能性について確認した上で、購入するかどうかを判断するようにしましょう。

ラーメン構造と壁式構造のイメージ
ラーメン構造と壁式構造(画像/PIXTA)

配管・配線による制約

マンションのリフォームでは、給排水管やガス管、電気配線などの位置が固定されていることが多く、これらを大きく移動させることには制約があります。 特に水回りの移動は、配管の勾配や排水ルートの確保が難しいため、希望通りの位置に移動できないケースや、費用が高額になるケースがあります。

「キッチンなどの水回りの移動については、同じような希望を伝えても、依頼するリフォーム会社によって、できるかできないかの回答が異なる場合があります。できないと言われた場合も、方法を変えれば可能なケースもあるので、まずはできない理由を聞いて相談することが大事です。
ただし、配管工事が必要になるお風呂の追いだき機能の追加工事については、マンションの構造や給湯器の位置などによって設置できないケースが少なくありません。中古マンションを購入してフルリフォームを考えているような場合は、簡単に後付けできるものと考えず、必ず確認するようにしてください」

リフォーム会社との打ち合わせでは、希望する間取りや設備配置が、既存の配管・配線で実現可能か、またはどの程度の制約があるのかをしっかり確認しましょう。

管理規約による制約

マンションの管理規約には、一般的にリフォームに関する規定が盛り込まれています。
例えば、リフォーム工事の事前申請や工事可能な時間帯、共用部分の利用制限などが挙げられますが、そのほかにも、防音性や防火性などの観点からリフォームで使用できる床材や壁材が指定されている場合があります。

「床材については、一定以上の遮音等級が求められることが多く、遮音性能が十分でない素材を使用する場合は、遮音下地の追加施工などの対策が必要となることも少なくありません。例えば、無垢材フローリングは、その自然な風合いや質感から人気がありますが、一般的に遮音性は低めとされています。しかし、すべての無垢材が規約に適合しないわけではなく、無垢材に遮音材を貼り付けた商品など、遮音性能を満たす無垢フローリング製品も存在します。
ただし、そういった製品は選べる樹種が限られていたり、色のバリエーションが塗装仕上げに限られることが多く、自然な色味や木目にこだわる人には物足りなく感じられるかもしれません。
また、最近のマンションでは二重床構造が採用されており、床の支持脚(束)部分で遮音性能を確保しているケースも見受けられます。このような構造のマンションでは、床材自体に遮音等級が求められないこともあります。
一方で、構造上は問題がなくても、管理規約上の規定により無垢材の使用が認められない場合や、マンションの1階など下階がない条件でも遮音要件が免除されないこともあるため、注意が必要です」

管理規約の制約についても必ず事前に確認し、不明な点は管理組合やリフォーム会社に相談しましょう。

マンションのフルリフォームの費用相場

マンションのフルリフォームにかかる費用は、工事の規模や内容、設備のグレードなどによって大きく変動します。ここでは、一般的な費用相場と、付随して発生する費用について解説します。

フルリフォーム(マンション)の費用目安は700万円程度から

マンションのフルリフォームの費用目安は、表層的なリフォームであれば700万円程度〜、間取り変更を伴うようなものになると800万円〜1000万円、フルスケルトンリフォーム(躯体のみを残してすべてを解体し、ゼロから作り直すリフォーム)になると1000万円〜1500万円ほどが目安になります。

リフォームの内容・規模 リフォーム費用の目安
表層リフォーム(内装・水回りの設備交換等) 700万円〜
間取り変更も伴うリフォーム 800万円〜1000万円
フルスケルトンリフォーム 1000万円〜1500万円

※70m2程度の住戸を想定

「500万円〜600万円位の予算でも展示品の設備を選ぶなどして費用を抑えれば、フルリフォームは可能ですが、標準的なグレードのマンションのフルリフォームであれば700万円前後の予算から検討する方が多いと思います」

ただし、これらのリフォーム費用はあくまでも目安であり、さまざまな要素によって大きく変動します。費用を左右する要素についての詳細は後述します。

フルリフォームは仮住まい費用が必要になることも

フルリフォームの工事期間中は、住戸での生活が困難になる場合が多く、一時的に仮住まいが必要になるケースがほとんどです。
仮住まいにかかる費用としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 家賃・敷金・礼金(賃貸を借りる場合)
  • 2回分の引越し費用(仮住まいへの引越しと、リフォーム完了後の元の住まいへの引越し)
  • トランクルーム費用(トランクルームに家財道具などを一時的に保管する場合)

すべての費用を合わせると、数十万単位の出費になるため、この仮住まいの費用も、リフォーム費用全体に含めて考えておきましょう。

引越しのイメージ
(画像/PIXTA)

マンションのフルリフォームの資金計画のポイント5

マンションのフルリフォームを成功させるためには、事前の資金計画が重要です。具体的な数字を把握し、余裕を持った計画を立てれば、漠然とした不安を解消することができます。

ポイント1:予算の上限を決める

まずは、リフォームにかけられる費用の上限を設定しましょう。上限を決めずに進めてしまうと、途中で費用が膨らみ、予算オーバーになってしまう可能性があります。
明確な上限を設定しておくことで、リフォーム会社予算内での最適な提案を引き出しやすくなります。

ポイント2:自己資金とローンのバランスを見極める

リフォーム費用は自己資金ですべてをまかなう必要はなく、リフォームローンなどを利用する人は少なくありません。ただし、ローンを利用する場合も、自己資金とローンで借り入れる金額のバランスを考えておくことが大切です。
自己資金をできるだけ多く用意できれば、ローンで借り入れる金額が減るため、金利負担も減り、総支払額を減らすことができますが、自己資金をすべて注ぎ込んでしまうと、急な出費に対応できなくなってしまいます。
リフォーム以外の将来的な出費も視野に、無理なく返済できる金額を借り入れ、自己資金も余裕を持って手元に残しておくと安心です。

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リフォームにもローンが使えるって知ってる?使うメリット・デメリット

【ポイント】中古マンション購入×フルリフォームの場合は一体型ローンも

中古マンションを購入してフルリフォームを検討している場合、住宅購入費用とリフォーム費用をまとめて借り入れできるリフォーム一体型ローンの利用も選択肢の1つです。
一体型ローンであれば、住宅ローンと同じ低金利でリフォーム費用も借り入れできるため、住宅ローンとリフォームローンを別々に借りるよりも金利負担を抑えられる可能性があります。
中古マンション購入とフルリフォームを同時に検討している方は、一体型ローンの取り扱いがある金融機関に相談してみるのも良いでしょう。

▼関連記事を読む 【2025年版】知って得する!リノベーションのローンと優遇制度

ポイント3:諸費用や予備費も忘れずに予算に組み込む

マンションのフルリフォームにかかるのは、工事費用だけではありません。前述した仮住まいにかかる費用のほかにも、保険に入る場合の保険料や、各種申請、届出などに費用が必要になることもあります。
また、リフォームの場合は解体してから不具合が見つかり、当初の予定になかった補修工事などが必要になることもあるので、万が一に備えた予備費も確保しておくことが大事です。

リフォームの際に必要になる諸費用の例

  • 仮住まい費用: 工事期間中の家賃、引越し費用、トランクルーム費用など
  • 各種申請費用: 増築などの場合の確認申請手数料など
  • 保険料: 火災保険や損害保険、瑕疵保険などに入る場合
  • 税金: 消費税や契約書に必要な印紙税、登記変更が必要になる場合の登録免許税など

ポイント4:支払いのタイミングを確認しておく

リフォーム費用の支払いは、契約時、着工時、中間時、引き渡し時など、複数回に分けて行われるのが一般的です。リフォーム会社によって支払いスケジュールや支払額の内訳は異なるため、契約前に必ず確認しておきましょう。

ポイント5:補助金や減税制度を活用する

マンションのフルリフォームでは、国の制度や地方自治体の制度による補助金や減税制度を利用できる場合があります。これらの制度を上手に活用することで、リフォーム費用を抑えることができますが、それぞれ対象となる工事内容や条件、申請期間などが細かく定められています。リフォームを検討する際は、利用できる制度がないか、リフォーム会社や自治体の窓口などに相談して確認してみましょう。

補助金のイメージ
(画像/PIXTA)

マンションのフルリフォームで使える補助金や減税制度

前述の通り、マンションのフルリフォームではさまざまな補助金や減税制度を活用できる可能性があり、国の補助金としては住宅省エネ2025キャンペーンのほか、長期優良住宅化リフォーム推進事業介護保険制度などがあります。

住宅省エネ2025キャンペーン

子育てグリーン住宅支援事業、先進的窓リノベ2025事業、給湯省エネ2025事業、賃貸集合給湯省エネ2025事業の総称で、子育て世帯に限らず、すべての世帯が対象です。省エネ性能を高めるリフォームの場合は対象となる可能性があります。
参照:住宅省エネ2025キャンペーン

長期優良住宅化リフォーム推進事業

住まいの長寿命化や省エネ化などを目的としたリフォームや子育て世帯向けのリフォームに対する支援事業です。リフォーム後の住宅が長期優良住宅の認定基準を満たす必要があります。
ただし、劣化対策や耐震性、維持管理更新の容易性などについては、建物全体で長期優良住宅の評価基準等を満たす必要があります。そのため、新築時に長期優良住宅の認定を受けていないマンションの場合、住戸単位のリフォームでは適用条件を満たさない可能性が高いです。
参照:令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業

介護保険制度

介護保険の被保険者で要介護・要支援認定を受けた人が、手すりの設置や段差解消などのバリアフリー改修を行う場合に補助金が支給される制度です。事前申請が必要で、ケアマネジャーに相談しながら進める必要があります。

そのほか、各自治体で、耐震改修、省エネ改修、バリアフリー改修など、さまざまなリフォームに対する補助金制度が設けられているため、お住まいの自治体の窓口に確認してみましょう。ただし、国費が充当されているような制度の場合は、国の補助金制度との併用ができない可能性があるため、検討の際は注意しましょう。

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また、減税制度については、省エネ改修やバリアフリー改修などを行った場合、所得税の控除や固定資産税が一定期間減額される制度があります。さらに、親などから贈与を受けて住宅取得をした場合も一定額まで非課税となる制度があり、リフォームも対象となる場合があります。
各制度には、対象となる工事内容、対象者、住宅の条件、申請期間などが定められています。要件を満たしているか、事前にしっかり確認し準備を進めましょう。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

返済期間が10年以上の住宅ローンやリフォームローンを利用して、省エネ改修やバリアフリー改修などを行った場合、毎年住宅ローン残高の0.7%を10年間、所得税から控除されます。借入限度額は2000万円で、所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税からも一部控除されます。

リフォーム促進税制

住宅ローンやリフォームローンを利用しない場合や10年未満のローンでも、特定のリフォームを行った場合に、かかった費用の一定割合が所得税から控除される制度です。標準的な工事費用相当額の10%が所得税から控除されます。対象工事限度額を超える分は一定の範囲で5%の税額控除が可能です。
また、リフォーム促進税制により、特定のリフォームを行った場合に固定資産税も減額の対象となりますが、所得税の控除の要件と固定資産税の控除の要件は異なります。

贈与税の非課税措置

親や祖父母などから住宅取得等資金の贈与を受けて自宅のリフォームをした場合、特定の要件を満たしていれば、一定額(省エネ等住宅は1000万円、それ以外は500万円)まで贈与税が非課税になります。

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マンションのフルリフォームの費用を左右する8つの要素

マンションのフルリフォーム費用は、さまざまな要素によって変動します。どのような要素が費用を左右するのか、詳しく見ていきましょう。

1. 工事の規模・範囲

費用に大きく影響を与えるのが、リフォームの規模と範囲です。
施工面積が増えるほど費用はアップするため、フルリフォームする住戸の広さによって費用が変わるのはもちろんですが、間取り変更を伴うようなケースや、スケルトンリフォームは、表層変更のみのフルリフォームに比べて大規模な工事になるため、高額になる傾向があります。

2. 設備のグレード

導入する設備や使用する素材のグレードも、費用を大きく左右するポイントです。
「設備の中でも特に水回り設備の影響は大きくなります。例えば、キッチンの場合、費用を抑えたものだと60万円くらいの選択肢がある一方で、300万円の商品などもあります。お風呂についても、機能などにこだわると200万円くらいかかることもあるので、水回りの設備をどのように組み合わせるかというところで、費用は大きく変わってきます」

水回りのほかにも、床材や壁材、建具なども選ぶ素材などによって価格はさまざまです。自然素材や高級な輸入材、機能性が高いものなどを選ぶと費用は高くなる傾向があると考えておきましょう。

3. 大工工事の規模

大工工事とは、木材などを使って住宅の構造や内装部分を組み立てるような工事を指し、具体的には構造補強や間取り変更、内装の造作や建具施工などが挙げられます。大工仕事の面積や内容が増えると、リフォーム費用への影響は少なくありません。

「壁を撤去したり新設したりして、ドアなどの建具も交換することになると、統一感を出すために1箇所だけではなく、複数箇所の建具を交換することになる場合が少なくありません。建具の交換箇所などが増えるほど費用はアップします」

4. 素材・デザインへのこだわり

素材やデザインへのこだわりが強いほど、費用は高くなる傾向があります。

「例えば、タイルを取り入れたい、無垢材の床にしたいという場合、本物のタイルや無垢材を使用すると金額は高くなります。
本物には本物でしか得られない良さもあるので、その点を理解した上で、こだわりにお金をかけるという選択肢はある一方で、その素材が醸し出す雰囲気が好みだというだけであれば、イミテーションで代用できる場合もあります」

無垢材の床のイメージ
無垢材の床は一般的なフローリングよりも高額になる可能性が高い(画像/PIXTA)

5. 管理規約や施工制限

マンション特有の制約も、費用に影響を与えることがあります。
前述したように、サッシやガラスなどの共用部分もマンションの許可を取れば実費で交換できることはありますが、交換が許可されても、特定の製品しか使用できないことが一般的です。一戸建て用の製品に比べ、マンションの場合は製品グレードが高いことも少なくないため、費用が高くなることがあります。
また、マンションの場合は一戸建てよりも配管・配線の制約があるため、希望通りのレイアウトにするために大掛かりな配管工事が必要となり、費用が高くなることがあります。

6. 建物の築年数

マンションの築年数が古いほど、リフォーム費用が高くなる可能性が高いと考えておきましょう。
築年数が古いマンションでは、給排水管などの老朽化が進んでいることが多く、リフォーム時に交換が必要になることがあります。配管の交換は、壁や床を解体する必要があるため、費用がかさみます。

7. 住戸の階数や搬入経路

住戸が高層階で資材の搬入・搬出に時間や手間がかかる場合、低層階に比べて運搬費用や人件費がかかる場合があります。
エレベーターがないマンションや、エレベーターのサイズが小さい場合は、階段で手運びによる作業が必要になることもあるそうです。
「築浅のタワーマンションなどの場合は、搬入経路がきちんと確保されているケースが多いのですが、古いマンションなどの場合、大きなキッチンの天板などの搬入が階段からでも難しいケースがあります。そのような場合はクレーンなどを使用することになるため、その分の費用が必要になります」

養生されたエレベーターのイメージ
エレベータでは大きなサイズの設備が搬入できない場合もある(画像/PIXTA)

8. 依頼するリフォーム会社

リフォーム会社によって、費用や提案内容、得意分野が異なります。相見積もりを取る際は、異なる規模の会社 2〜3社に依頼をして、比較検討することが重要です。
また、会社の規模だけでなく、デザイン性の高いリノベーションを得意とする会社、水回り専門の会社、マンションリフォームの実績が豊富な会社など、会社によって得意分野は異なります。得意分野によって見積もりの内容や金額は変わってくるので、自分の行いたいリフォームに合う会社を選ぶことが大事です。

予算内で理想を実現!マンションのフルリフォームの費用を抑えるコツ7

マンションのフルリフォームは高額な費用がかかるイメージがありますが、いくつかのコツを押さえることで、予算内で理想の住まいを実現することが可能です。

1.優先順位を整理する

まずは、リフォームで実現したいことをリストアップし、それぞれの優先順位を明確にしましょう。費用がかかっても実現したいこと、予算に余裕があれば実現したいこと、予算オーバーになりそうな場合に諦めてもいいことなどを書き出しておくと、限られた予算の中で何に費用をかけるべきか、どこを妥協できるのかが明確になり、リフォーム会社との打ち合わせもスムーズに進めやすくなります。リフォーム会社も希望に合わせた的確な提案をしやすくなるので、無駄な出費を抑えることができます。

優先順位のイメージ
(画像/PIXTA)

2.設備のグレードを見直す

選ぶものによって価格幅が大きいキッチンやお風呂などの水回り設備は、コストカットがしやすい部分です。
例えば、最新の多機能を備えた設備は魅力的ですが、予算オーバーの場合は、本当に必要な機能かどうかを検討しましょう。また、実際にショールームに足を運び、さまざまなグレードの設備を見て比較検討することも有益です。

「グレードの高いものや最新機能がついているものを見ると、そこにお金をかけたくなってしまうこともありますが、設備の価格帯と自分の本当に求めているもののバランスを見て選ぶのがおすすめです」

3.既存の設備や建具を再利用する

まだ使える設備や建具があれば、それらを再利用することで費用を抑えるという方法もあります。
「例えば、建具は1箇所だけ交換してしまうと、ほかの古い部分が目立ってしまうことがあるので、複数箇所をまとめて交換することが多いのですが、費用的に難しい場合は、室内のあまり目立たない部分やクローゼットなどの建具は再利用したりすることで、コストを抑えることができます」

4.シンプルなデザインや間取りにする

こだわりの間取りやデザインにすると、場合によっては施工に手間がかかるため費用が高くなることがあります。
「フルリフォームの場合、住まいの収納を一から見直すようなリフォームを行うことも少なくありません。市販の家具では収まりが悪かったり、理想の空間にできないような場合は費用をかけても家具などを造作した方が良いケースがありますが、一方で、市販で売っているようなものは造作する必要はないので、市販のものを代用することで費用を抑えるという方法を考えても良いでしょう」

また、デザイン性を考えて、タイルや無垢材などを取り入れると、シンプルな壁紙やフローリングなどの場合に比べ、材料費がアップしますが、雰囲気を楽しみたいだけということであれば、よく似た雰囲気の意匠材などを用いるなど、価格を抑える選択肢もあります。
「本物の素材へのこだわりが高くないのであれば、価格を抑えたメンテナンス性も高い商品もあるので、リフォーム会社の担当者などに相談してみると良いでしょう」

5.部分リフォームを検討する

まとめて工事を行う方が部分リフォームを何回も行うよりも総費用は抑えられる可能性はありますが、現段階での出費を抑えたいという場合は、フルリフォームではなく、部分的なリフォームを検討するというのも有効な方法です。

生活に支障が出ている箇所や暮らしの安全にかかわる箇所などから優先的にリフォームするなど、段階的に工事を進めることで、1度にかかる費用を分散できます。
住まいの買い替えなどとは違い、自身の状況に合わせて予算コントロールしやすいのもリフォームの魅力の1つなので、予算的にフルリフォームが難しいと感じる場合は、まず部分リフォームで快適性を向上させることも可能だと覚えておきましょう。

6.複数のリフォーム会社を比較検討する

複数のリフォーム会社から相見積もりを取ることは、費用を抑える上で非常に重要です。
比較することで不当に高い見積もりは見抜くことができますし、会社によって提案内容や得意分野が異なるため、より納得のいくリフォームプランを見つけることができます。少なくとも2〜3社程度の相見積もりを取り、価格だけでなく、提案内容、担当者の対応、実績なども総合的に比較検討しましょう。

7.DIYや施主支給の活用

DIYや施主支給も、費用を抑えるための選択肢の1つです。
DIYについては比較的簡単な作業であれば、自身で行うことで施工費を節約できますが、専門的な知識や技術が必要な箇所は、無理せずプロに任せた方が、リフォームの満足度は上がります。
また、施主支給は設備や建材の一部を、自身で購入し、リフォーム会社に工事だけ依頼する方法ですが、製品の保証や納期、リフォーム会社との連携など、事前に確認しておくべき点が多くあります。
DIYや施主支給を行う場合は、事前にリフォーム会社とよく相談し、トラブルにならないよう注意しましょう。

DIYを行う夫妻のイメージ
(画像/PIXTA)

マンションのフルリフォーム事例と費用【3選】

マンションのフルリフォームの費用や予算のやりくりなどについて解説してきましたが、ここからは費用別に実例を3つご紹介します。具体的な費用感と、どのようなリフォームが実現できるのかの参考にしてください。
※実例の費用はリフォーム当時のもの

【実例:750万円】木目調の内装で好みのアンティークテイストの住まいを実現

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元々使用していたアンティークテイストの家具や小物に合わせて、住まいを木目調の内装にし、落ち着いた空間にリフォームしました。 アクセントになるよう、リビングの壁面には木質の壁材のスチームドライウッドをコーディネートし、ビンテージな雰囲気を演出しています。リビング併設のオープンな和室はコンパクトなサイズに変更し、ネイビーのアクセントクロスやダウンライトで和モダンな空間に仕立てました。

木目柄をふんだんに用いたLDK
キッチンも無垢の木を使用したものを選択。木目柄をふんだんに使用した温かみを感じられるLDK(画像提供/ナサホーム

和モダンな和室
木目調のリビングとマッチする和モダンでおしゃれな和室(画像提供/ナサホーム

■間取図
リフォーム前の間取り
before(画像提供/ナサホーム

リフォーム後の間取り
after(画像提供/ナサホーム

■DATA
築年数:21〜25年
リフォーム価格:750万円
施工会社: ナサホーム

【実例:1067万円】ホテルライクがテーマのフルリフォーム

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リフォームのコンセプトは“非日常的でホテルライクな空間”ということで、内装は淡いグレーをベースカラーに全部屋の壁紙、フロアタイル、カーペットを同じものに統一しました。水回りはホテルのように洗面・トイレを1つの空間にまとめ、キッチンからの動線を設けて回遊できるようになっています。また、生活感をなるべく出さないよう、キッチン背面に大容量の引き戸収納を設け、使いやすくスッキリとした空間を実現しました。

内装はホワイトと淡いグレーで統一したホテルライクな雰囲気の室内
ホワイトと淡いグレーで統一したホテルライクな雰囲気の室内(画像提供/ナサホーム

リクシルの洗面台、ルミシスを採用したラグジュアリーな洗面空間
石目調の人造大理石カウンターが目を引く、高級感のある洗面空間(画像提供/ナサホーム

■間取図
リフォーム前の間取り
before(画像提供/ナサホーム

リフォーム後の間取り
after(画像提供/ナサホーム

■DATA
築年数:26〜30年
リフォーム価格:1067万円
施工会社: ナサホーム

【実例:1200万円】スケルトンリフォームで納得のいく住まいに

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築年数14年のそれほど古くないマンションということで、当初は内装を新しくする修繕リフォームを検討していましたが、自分たちの暮らしに合う住まいを追求していく中で、間取りや内装をすべて見直すスケルトンリフォームを選択しました。

広々としたリビング・ダイニングと対面型のキッチン
キッチンは対面型で、簡単に食事もできるモーニングカウンター付き。リビングダイニングは以前よりもゆったりとした空間に(画像提供/東京セキスイファミエス

白の大理石を用いた玄関
白の大理石を用いることで、明るく広々と感じられるようになった玄関(画像提供/東京セキスイファミエス

■間取図
リフォーム前の間取り
before(画像提供/東京セキスイファミエス

リフォーム後の間取り
after(画像提供/東京セキスイファミエス

■DATA
築年数:14年
リフォーム価格:1200万円
施工会社: 東京セキスイファミエス

マンションのフルリフォームの流れと工事にかかる期間

マンションのフルリフォームは、計画から引き渡しまで、いくつかのステップと期間を要します。ここからは全体の流れと、工期が長くなるケース、仮住まいの必要性について解説します。

フルリフォームの全体の流れ

マンションのフルリフォームは、一般的に以下の流れで進みます。

情報収集・計画立案
家族と話し合いながらリフォームの目的や希望、予算を明確にし、インターネットや雑誌などで情報収集をしながらイメージを膨らませます。

リフォーム会社の選定・相談(1カ月程度)
複数のリフォーム会社に問い合わせ、相見積もりを依頼します。リフォーム会社の担当者と打ち合わせ、現地調査をしてもらい、提案内容や見積もりを比較検討しながら信頼できる会社を選定します。

契約・詳細打ち合わせ(1カ月程度)
選定したリフォーム会社と工事請負契約を締結し、間取り、設備、内装材、デザインなどの詳細を決定。工事スケジュールや支払い条件を確認し、管理組合へのリフォーム申請なども行います。

仮住まいへの引越し
フルリフォームでは多くの場合、工事期間中は仮住まいへ引越します。

工事着工〜完了(1カ月〜2カ月程度)
近隣住民への挨拶回りを行い、工事を順次進めていきます。

竣工・引き渡し(約1週間)
工事完了後、施主とリフォーム会社で最終検査(施主検査)を行い、不具合がないか確認します。問題がなければ引き渡しを受け、残金を精算。引越しを行い、新生活のスタートです。

上記の流れや期間はあくまで目安で、工事の規模や内容、リフォーム会社の状況、施主の決定スピードなどによって変動します。
「新生活をスタートさせたいタイミングから逆算してスケジュールを考えるのが良いと思います。問い合わせから引き渡しまで3〜4カ月程度かかるのが一般的です」

工期が長くなるケース

リフォームの場合は解体してみないとわからない配管の老朽化などが見つかった場合、追加工事が必要となり工期が延びることがあります。
そのほかにも、施主自身の希望で途中に追加工事が生じるなどして、その分工期が延びる可能性もあります。
リフォーム会社は余裕を持ってスケジュールを組んでいるのが一般的ですが、工期が延びてしまう可能性も念頭に、スケジュールは余裕を持って考えておくのが安心です。

工事期間中に仮住まいが必要になることも

フルリフォームの工事期間中は、騒音や資材の搬入、水道・電気・ガスの停止などにより、住戸での生活が困難になることがほとんどです。そのため、多くの場合は仮住まいが必要となります。仮住まいの家賃や引越し費用、トランクルーム費用などを事前に予算に組み込んでおくことが重要です。

信頼できるリフォーム会社の選び方とチェックポイント

マンションのフルリフォームを成功させるためには、信頼できるリフォーム会社を選ぶことが最も重要です。ここでは、後悔しないリフォーム会社選びのポイントを見ていきましょう。

ポイント1:マンションリフォームの実績と得意分野を確認する

マンションリフォームは、一戸建てのリフォームとは異なる特有の制約(管理規約、共有部分、構造など)があります。そのため、マンションのリフォームの場合は、マンションリフォームの実績のある会社を選ぶのが安心です。
また、リフォーム会社によって得意分野が異なります。自分が希望するリフォーム内容に合致した得意分野を持つ会社を選ぶと、より専門的な知識と技術に基づいた提案が期待できるでしょう。

ポイント2:見積書の内容を複数会社で比較する

繰り返しになりますが、複数のリフォーム会社から相見積もりを取ることは、適切な価格で質の高いリフォームを実現するために不可欠です。
見積書は、“一式”などの大まかな表記ではなく、各工程の費用などが詳細に明記されているかを確認しましょう。不明瞭な点があれば、納得がいくまで質問することが重要です。

ポイント3:担当者の対応姿勢や提案力

リフォームは、担当者とのコミュニケーションが非常に重要です。フルリフォームは大きな買い物になるだけに、相性の良い信頼できる担当者と進めていくことが満足感のアップにもつながります。
こちらの希望や要望を丁寧に聞き取り、理解しようとしてくれるか、漠然としたイメージを具体化し、期待以上の提案をしてくれるか、メリットだけでなく、デメリットや制約についてもきちんと説明してくれるかなど、担当者とのコミュニケーションを通して判断しましょう。

リフォーム会社の担当者との打ち合わせのイメージ
エレベータでは大きなサイズの設備が搬入できない場合もある(画像/PIXTA)

ポイント4:アフターフォローや保証

リフォームは工事が完了して終わりではありません。アフターフォローや保証制度が充実しているかも重要なチェックポイントです。工事箇所や設備に対する保証期間、そして保証の対象となる範囲を具体的に確認するようにしましょう。また、引き渡し後の定期点検の有無や、不具合が発生した場合の連絡体制などについても、確認しておくと安心です。

【まとめ】費用を左右するポイントを押さえて、フルリフォームは計画的に進めよう

マンションのフルリフォームは、住まいを快適で理想的な空間に変える大きなチャンスです。かかる費用相場は、工事の規模や設備グレード、デザインのこだわりなど、さまざまな要素によって変動しますが、予算の上限を決め、自己資金とローンのバランスを見極めながら、計画を進めていきましょう。活用できそうな補助金や減税制度についても、事前に情報収集しておくことが大切です。マンションの場合はマンション特有の注意点などにも配慮しつつ、信頼できるリフォーム会社と共に、理想の住まいを実現してください。

●取材協力
ナサホーム

構成・取材・文/島田美那子

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