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マイホームと聞いて、すぐに思いつくのはどんな物件でしょうか。まず浮かぶのは新築一戸建て、あるいは新築マンションかもしれません。
しかし、近年、物件選びの選択肢も多様化し充実しています。最近では、中古住宅を購入してリノベーションするという選択肢もごく一般的になりました。
この記事では、リノベーションと新築をさまざまな面から比較し、解説していきます。予算とご家庭の状況をよく見極めて、どちらが自分にぴったりの家を手に入れられるのか、じっくり検討してみましょう。
目次
リノベーションと新築は、どちらのほうが早く入居できるのでしょうか。「もう物件があるのだから、リノベーションでは?」と思うかもしれませんが、実際はどうでしょう?以下で工期について説明します。
フルリノベーションと新築では、工期はあまり大きな差がありません。標準的な40坪程度の住宅の場合、新築の木造2階建てで3~4ヵ月、RC造で5~6ヵ月ほどの工期となります。一方で、スケルトンの状態からおこなう大規模リノベーションの場合、工期は3~5ヵ月程度です。
地盤改良や外構工事、補強工事など、工期はさまざまな要因で変動します。プランがまとまらなければ延びてしまう一方で、はっきりと家のイメージがかたまっている場合は、工期が短くなることも珍しくありません。
リノベーションと新築の施工の違いは、既存の建物の取り扱い部分にあります。
リノベーションの場合は躯体を残して解体し、補強する工事が入ります。
新築の場合、古家があれば解体する必要があります。更地を買う場合には解体工事がない代わりに、新しい土地に家を建てるための地盤改良などの工程が発生します。
一般的に、中古物件を改修・改築するリノベーションのほうが税制面で有利であると言われています。その理由は、新築と比較してリノベーションのほうが、固定資産税評価額が低いためです。
固定資産税は、不動産の価値を示す「固定資産税評価額」に対して1.4%の税率が課せられます(標準税率なので地域によって異なる可能性があります)。「固定資産税評価額」は、建物は建築費用の70%程度、土地は路線価から算出されます。新築の場合は減額措置があり、一戸建てなら建築後3年は固定資産税額が1/2になります。長期優良住宅であれば、減額期間は5年間に延長されます。
固定資産税評価額は新築から3年毎に再評価され、木造一戸建ての場合、20年ほどで下限となる20%程度まで下落します。つまり、築20年以上の木造一戸建ては、建物としての固定資産税評価額の下限にあるということです。
「リノベーションをすると、固定資産税評価額が上がってしまうのでは?」と思う方もいるでしょう。実際に、リノベーションによって建物の価値が上がると、評価額も上がります。特にスケルトンからリノベーションするような大規模な改築の場合、建築確認申請が必要になり、再評価によってもともとの中古物件よりも評価額が高くなることもあります。
しかし、完全な新築と比較すると躯体は中古になるため、新築以上になることは多くなく、構造を大きく変えるわけではない改築なら、評価額は基本的に変わりません。
また、バリアフリー化や省エネ化など、リノベーションの内容が一定の条件を満たす場合、固定資産税の減額措置も受けられます。
一般的にフラット35を始めとした優遇措置が多い新築の方が有利と言われていますが、税制面を含めるとリノベーションのほうが有利になるケースもあることがわかります。
リノベーションと新築では、費用や建築の面でどんな違いがあるのでしょうか。表で比較してみましょう。
新築 | リノベーション(築浅) | リノベーション(築古) | ||
---|---|---|---|---|
費用 | 物件費用 | △:高い | ○:普通 | ◎:安い |
ローン優遇 | ◎:多い | ○:普通 | △:少ない | |
税制優遇 | ○:普通 | ◎:多い | ◎:多い | |
物件 | 選択肢 | △:少ない | ○:普通 | ◎:多い |
性能(耐震性など) | ◎:高い | ○:普通 | △:低い | |
デザイン 工事 |
自由度 | ◎:とても高い | ○:高い | ○:高い |
工事期間 | △:長い | ◎:短い | ○:普通 |
新築の場合、予算次第で自由度高く建築できますが、同じ予算で実現できることは築浅物件のリノベーションのほうが多くなります。
また、物件や土地の取得、工事費、その他の経費を含めた総費用の比較では、東京都における平均的なモデルケースとして、新築の場合は、同じ構造の中古物件をリノベーションするよりも、一戸建てでプラス約600~1,000万円、マンションではプラス約1,500~2,500万円ほどの差が出ている試算もあります。
上記は一例であり、物件の築年数や広さ、エリア、リノベーションの内容など、さまざまな条件によって費用は大きく変わります。あくまで参考程度にとどめてください。
中古物件の購入にともなうリノベーションの場合、リノベーション費用の他に仲介手数料や登記費用、不動産取得税がかかるものの、新築の場合も同様にかかるので、費用面では圧倒的にリノベーションのほうが有利といえます。
「費用や税制以外のメリットとデメリットが知りたい!」という方のために、ここでは着工前から、実際に暮らし始めたあとまで、リノベーションと新築のメリット・デメリットを比較していきます。
どちらにしようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
リノベーションの場合、既存の物件があるので、住み心地や景観がイメージしやすく、周辺環境なども把握しやすいことが大きなメリットです。
また、費用面では新築よりも取得コストを抑えることが可能で、その分をこだわりの内装建材やインテリアに使えるのも魅力です。
一方で、躯体を補強したとしても、新築よりは耐震性能などに不安が残ることもあります。また、物件の形は既存の躯体の影響を受けるため、間取りの変更などに制限があったり、バルコニーなどの追加で費用がかさむこともあります。
新築の場合、躯体や構造に最新の建築技術や素材を使用できます。防火・耐震性など住宅の性能面は中古物件のリノベーションよりも高くなります。
また、既存の躯体がないので間取りの自由度が高く、設備も自由で、理想通りの家造りができることがメリットです。
一方で、リノベーションよりも建築費用がかかります。また、既存の物件に比べ住み心地や景観がわかりにくく、いざ住んでみたらイメージと違ったというケースも珍しくありません。
ここでは、中古一戸建て物件のすてきなリノベーション事例を紹介します。大きく変わったリノベーション後の家の様子を見れば、あなたに合ったリノベーションのイメージが湧いてくるでしょう。
戦前に建てられた店舗兼住宅をご両親から相続し、2階と3階を住居としてリノベーションした事例です。築80年の建物とは思えない、明るく清潔感のあるお部屋になりました。リビングはレンガ柄のクロスを1面アクセントに。掃き出し窓とバルコニーも新設して、機能性もアップしました。とても広く、開放感があるリビングで快適に過ごせそうです。
事例の詳細:築80年の戦前の店舗兼住宅を改装
震災で建物に歪みが出た影響で、室内に隙間風が入るようになってしまった愛着のある家。平屋の新築と悩み、思い切って大規模なリノベーションを選択。外壁から経年劣化していた水まわり、内装や廊下まですべてにこだわってリノベーションしました。
Before:大きい収納があるキッチンは、年を経て雑然となり、古びた感じがしていました。
After:愛着のあるキッチンをきれいに整え、広々とした収納棚を作り直しました。愛用の食器類もしっかりと収まっています。地震があったときに、食器が落ちてくる心配もなさそうですね。
事例の詳細:築42年の思い入れのある我が家を将来の為に大規模改修
お子さんの独立を機に、間取りを大きく変えてシンプルモダンな家にリノベーションしました。明るく広々としたリビングは自然素材のぬくもりに満ちています。
Before:間仕切りが多く、パーテーションで複数の部屋に分割できる構造になっていました。
After:パーテーションを取り払い、キッチンからリビングダイニングまですべてが一つの空間に。明るく広々としたくつろぎの空間に、大きな窓から日差しが注ぎ、ゆったりと大人の時間を過ごせるでしょう。
事例の詳細:自然体に暮らすシンプルモダンの家
引き継いだ実家を全面的にリノベーションしました。一部増築もおこない、新しい家族の歴史をつむぐすてきな家に大変身です。
Before:壁で切り取られたリビングは、大きな窓と開口部があるものの、どこか雑然と薄暗さがありました。
After:リビングダイニングとキッチンを一つの部屋にし、大空間を実現。白い内装に天井の構造体を残したウッドが映えていますね。
事例の詳細:親から引き継いだ家を大切にしたい!
築80年の思い出の我が家を、落ち着いた雰囲気と古民家ならではの作りを活かしながら再生。趣のある和洋折衷の空間になりました。
梁の高いリビングは空間が広く感じられます。キッチンと畳のスペースとは障子がゆるやかに区切り、必要に応じて部屋の大きさを変更できます。
落ち着いた色合いのキッチンには、古民家らしさを残す太い梁が残り、アクセントになっていますね。
事例の詳細:思い出の我が家を古民家再生で趣のある空間に
お子さんが生まれ、家族が増えたのをきっかけに、実家の離れを大規模リノベーション。家族の中心になるリビングの他に、遠方に移り住んだ両親や兄弟が帰省した時にくつろげる和室も作りました。
Before:1階にあった26.5帖のアトリエは、物置として使用されていたため、雑然としていましたが、LDKに作り替えるのに十分な広さがありました。
After:見通しのいいLDKに作り変え、家事をしていてもお子さんやペットの様子がすぐに分かるようになりました。小上がりの和室はお子さんのプレイルームや客間としても機能します。
事例の詳細:実家の離れをリノベーションして、家族が集まる住み処に
リノベーションと新築の違いは、税制や費用の面だけでなく、物件の立地や愛着など、お金には代えられない要素も大きな影響をもたらします。メリットとデメリットをしっかりと比較し、ライフプランと照らし合わせてじっくり検討してみてはいかがでしょうか。
中古リノベーションで愛着のある我が家に手を加えたいと思ったら、ホームプロでさまざまな事例を検索してみてくださいね。リノベーションの前後で大きく姿を変え、新しい暮らしと家族の歴史を紡ぐすてきな事例が多く掲載されています。
気になる事例があれば施工を行ったリフォーム会社に問い合わせてみてはいかがでしょうか。ホームプロでは厳しい審査をクリアした約1,200社のリフォーム会社が加盟しており、その中から地元の優良リフォーム会社を紹介してもらえますよ。無料で利用できますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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