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建物の基礎知識から、耐震対策、検討の進め方、着工前・完工時のチェックに至るまで、事前におさえておくべき設計・工事・構造に関するポイントや注意点をまとめました。
リフォーム検討の際の心構えとして、はじめに一読いただくことをおすすめします。
目次
普段の暮らしの中でできる地震対策はありますか。
家を頑丈にするだけでなく、家具の置き方や選び方、転倒防止などの対策も非常に有効です。
過去の大震災では、倒れた家具の下敷きになったり、戸棚からこぼれ落ちて割れた食器類でけがをされた方がたくさんいました。
地震への対策として、家を頑丈にするだけでなく、普段から家具の置き方や選び方、転倒防止などの対策も考えておきましょう。
家具やものの置き方
家具の選び方
転倒防止のポイント
家の建っている地盤の強さについて知る方法を教えてください。
道を下がった先や水路、沼、池の近くは、軟弱地盤のめやす。
もう少し正確に知りたい場合は市役所などに問い合わせてみてください。
どんなに建物が頑丈でも、それを支える地盤に問題があったのでは、地震による被害はまぬがれません。
軟弱な地盤だと、その周囲より震度が大きく建物に伝わります。
地盤調査は費用をかけて専門業者に依頼し、その地質を調べてもらう方法が最も正確です。
でも、そこまでしなくても、ある程度の予想をつける方法がいくつかあります。
風景を読む
例えば、坂道を下がった先にある、水路が近くにある、沼や池が近くにある、車輛重量制限の交通標識のある道路が近くにある場合などは、軟弱地盤の危険信号地。
逆に古くからのお寺や神社が近くにあれば、良好な地盤である確率が高いといえます。
地名を読む
盛土と切土○○台とか△△丘などは良好な地盤が多く、××谷とか□□沢などは低地で、軟弱地盤であることが多い。
ただし、これはあくまで参考です。もう少し正確に知りたい方は市役所などに問い合わせてみてください。
地質データを閲覧させてくれる場合もあります。
また、ニュータウンなどの傾斜地を造成して開発されたところでは、土を切り取ったり盛ったりすることでひな段状にしています。
切土の部分はもともとの地盤が固ければ問題ないですが、盛土の部分はどうしても軟弱になりがちです。
自分でできる家の耐震性能のチェック方法を教えてください。
基礎、屋根、家の老朽化、家のかたち、壁の量などの項目で、手軽にチェックできる方法があります。
基礎のコンクリート部分にひびが入っていたり、土台や柱の部分が腐ったり、白アリに食われていないか、一度、床下や家の外まわりを点検してみましょう。
白アリに食われた柱などは、釘やキリなどで突いてみると抵抗なくささったり、ボロボロと崩れたりします。
屋根昔風の土ぶきの瓦屋根やカヤぶき屋根の家は、地震の揺れでもまれるうちに、自らの重さで耐え切れなくなる可能性が高くなります。
一方、鉄板やスレートぶきなどの屋根や、最近の釘で連結するタイプの瓦屋根は軽く、安全性は高いでしょう。
・家の老朽化土台が腐ったり、外壁や基礎にひびわれやハクリがないか。
・住んでいて床が鳴ったり、建具の建てつけが悪くなったりしていないか。
ほかにもおかしいところがないかどうか、チェックしてください。
家のかたち家のかたちは平面的にも立面的にも整形で単純なかたちが良いとされています。
これは地震の力が家全体に平均的に伝わり、部分的に強い力が集中してそこが破壊されることがないからです。(図)
壁の量壁が多く、厚みがあると、横揺れに対して抵抗力が強くなります。
窓や入口などの開口部が多い家は明るくて風通しが良いのですが、残念ながら地震には弱いといえるでしょう。
リフォームする際、構造について注意することはどんなことですか。
むやみに壁を壊したり柱を抜いたりしないこと。
平屋建ての上に2階を増築するような場合は、専門家に判断してもらったほうがよいでしょう。
まず、してはいけないのは、むやみに壁を壊したり柱を抜いたりすることです。
部屋を大きくとる場合や1階に駐車場を取りこむ場合など、柱や壁が邪魔になるケースが予想されますが、それらが家全体の荷重を支えている場合はもちろん、そうでなくても壊しても大丈夫なのかどうか、専門家や工事業者とよく検討しましょう。
それから平屋建ての上に2階を増築するような場合も、1階部分の柱や梁、土台、基礎が充分に2階を支えられるかどうか、専門家に判断してもらってから工事を進めたほうがよいでしょう。
リフォーム工事の手順は、どんな風に進めればよいでしょうか。
プランニング、資金計画、設計、施工、完成の手順で進めてください。
(1)プランニング
・法的規制の確認、周辺環境のチェック
特に一戸建ての増築などは、法規制や隣地との関係をチェックしましょう。
・マンションの管理規約やリフォーム協定のチェック
マンションのリフォームの場合は協定などでフローリング工事の規制をしているマンションもあります。
・要望の整理、間取りラフプランの作成
家族で話し合い、まずどの部分のリフォームを最優先させるのか、よく相談しましょう。
将来の生活や家族構成の変化も想定しておくことが大切です。
(2)資金計画
・公的資金が活用できるか否かの確認
リフォームでも住宅金融支援機構などの融資が受けられますし、助成事業がある自治体もあります。
利用できるかどうか確認しましょう。
・民間ローンのチェック
民間のローンも、優遇条件などでお得に借りられることがあります。
各金融機関のローンを比較・検討してみてください。
(3)設計
・業者の選択
複数社を比較・検討してから決めるのが、おすすめです。
ホームプロではお客さまに対して、匿名のままで、独自の基準で選別された加盟会社を無料で複数ご紹介します。
・設計者との打ち合わせ・工事内容の大枠を決める
先方にまかせっきりにせず、希望はきちんと伝えましょう。
・見積書の依頼、予算組み
決定したプランの大枠をもとに見積書の作成を依頼し、予算をつめます。
・工事日程の打ち合せ
天候など思わぬトラブルで遅れることもあるので、工期には余裕を。
業者の都合で遅れた場合のペナルティーは事前に決めておきましょう。
・建築確認などの各種届出
忘れると違法建築になることも。業者に出してもらうこともできます。
(4)施工
・近隣への挨拶
工事が始まる前には必ず、工事中や終わった後も忘れずに。
・工事内容・工期の現場確認
設計図・見積書・スケジュールどおりに工事が進んでいるか、できれば毎日チェック。
(5)完成
・工事内容の最終チェック
工事もれや、汚れ、傷はないか、設備機器は動くかなど、引渡し時に業者立会いできびしくチェックしましょう。
・アフターサービスの確認
まずは契約前に確認しておき、念のため完工後にも詳細確認をおすすめします。
・工事完了に伴う各種届出
業者、自分のどちらが用意すべきかは書類によって異なります。
事前に確認のうえ、完工後はすみやかに届け出ましょう。
リフォームのアイデアはどのように収集したらよいでしょうか。
住宅展示場やショールーム、書籍、リフォーム経験者から情報を集めましょう。
「ホームプロ」のサイトでも、ひととおりリフォームの知識が収集できます。
「暮らしやすい家」にするためには、ある程度住宅を自分なりに勉強することも大切です。
業者にすべて一任するのではなく、それなりに努力することがリフォームを成功させるカギです。
まずは、「ホームプロ」でひととおりのリフォームの知識を収集し、実際にどんな家にしたいのかアイデアを集めましょう。
・住宅展示場やモデルルームを見に行く
住宅展示場で最新の家の間取りや設備などを見てまわり、目を肥やします。
・住宅設備機器メーカーのショールームへ行く
ここでも最新の設備機器を見ることができます。
リフォームの相談コーナーがあることも多いので、大変参考になるでしょう。
・本を見る
リフォームや増改築の事例や、家相をも考慮した間取り図などを集めた本や雑誌がたくさん出版されています。
それらを買ってきて、自分なりに設計してみるのも一つの方法です。
・ご近所がリフォームされたらすかさずチェック
ご近所でリフォームされたお宅があれば、ぜひ見学させてもらいましょう。マンションなど、同じ間取りの場合はとくに参考になります。
また、リフォームするにあたっての体験談をいろいろと聞いておくと、何かと心づもりがしやすくなります。
できれば仮住まいを借りずに、住んだままリフォームしたいが、可能でしょうか。
最近は施工方法の工夫や、建材、設備機器の進歩によって、住んだままで、できるようになりました。
最近は施工方法の工夫や、建材、設備機器の進歩によって、以前なら引越しをしなくては工事ができなかったようなリフォームも、住んだままでできるようになりました。
工事期間中、どこか別の家に引越してリフォームすると、日常のわずらわしさはなくなります。
しかし、工事の様子を毎日チェックできるというメリットはなくなります。
住んだままリフォームすれば日程や、工事内容を確認したり、ご近所に迷惑をかけていないかなど、気をつけることもできます。
ただし、その時の注意点としては、家具や荷物をリフォームしない部屋に運んだり、戻したりする手間がかかります。
運ぶのは業者に頼むことはできますが、なかなかサービスでというわけにはいかないので、その場合の費用はかかると思われた方がよいでしょう。
なお、工事にかかる日数は、内容によって多少の差はありますが、おおよそ次のとおりです。
工事が始まる前は、どんなことに注意すればよいでしょうか。
工事業者から見積書をしっかり取り、資材置場を確保し、近隣への挨拶を忘れずに行うことがポイントです。
まず、工事業者から見積書をしっかり取りましょう。
せっかくリフォームしたのに、できあがりがこんなはずではなかったとか、設計変更で思わぬ金額の請求書がまわってきたりすることがあります。これは口約束で追加工事を頼んだり、業者との間の決定事項を書類にしなかったり、しっかりと見積書を取らなかったりした場合によく起こります。
見積書は手間賃だけでなく、工事終了後に契約通りの材料が使われているかなどが、調べられるような形式になっているか注意しましょう。
リフォームする際は、事前に工期をはっきり決めておくことが大切です。
たいていの場合、業者は複数の工事を同時進行で進めていますので、ほかの現場との兼ね合いを重視する傾向があります。
よって、工期が明確でないと後回しにされたり、工期が遅れることがあります。
業者の一方的な都合によって遅れた場合のペナルティーについても、明確にしておくことが大事です。
ただし、業者にも、思わぬトラブルがあったり、技術者の都合がつかなかったりと、さまざまな事情があります。長雨が続くと進まない工事もあります。
そんな時に無理に工事期間内に終わらせようとすると工事が雑になり、思った通りに仕上がらないことになります。
工期を決めるときは、ある程度の余裕を持ったものにし、こちらも柔軟にかまえておくことが必要です。
また、部材や機器は職人が運んでくるのではなく、メーカーなどから直接、工事現場へ配送されてくるのが普通なので、突然、洗面台やカーペットのロールが配達されてきたりします。
広い庭や、倉庫をお持ちならあまり問題はありませんが、工事をしない部屋に置かなくてはならなくなると、そのために移動した家具や荷物の保管スペースをとられて困るという事態になることがあります。
資材置場をどうするのかは、あらかじめ相談しておいた方がよいでしょう。
工事が始まると資材の搬入や職人の出入り、騒音、ホコリなど、何かとご近所に迷惑をかけることになりますから、必ず事前に挨拶しておきましょう。
工事前の挨拶では、工事期間がいつからいつまでなのか、作業時間は何時から何時まで、土・日曜、祝日は工事を休むのか、どんな工事をするのかなどを伝えておきます。
工事中にも迷惑をかけていないか、声をかけるとなお安心です。
リフォーム工事が終わったあと、気をつけることは。
確認事項のリストを作り、業者立会いで厳しくチェックしましょう。
この時点で不備があれば、すぐに直してもらいます。
工事が終了すると、検査をします。
この時、工事内容にもれはないか、設計図通りになっているか、汚れやキズ、すきま、浮きなどはないか、建具の取り付けはきちんとしているかなど、リストを作り、業者立会いで厳しくチェックしましょう。
また、ドアやふすまなどは、実際に開け閉めしたり、設備機器は動かしてみることも大切です。
そして、この時点で不備があれば、すぐに直してもらいます。
また、大手の業者なら、工事終了後、住み始めて出てきたトラブルに対応するアフターケア制度を持っているケースがあります。
そうした制度を持っているかどうかは、契約を結ぶ前に確認しておくことが大事ですが、完工後にももう一度保証期間や内容について、確認されることをおすすめします。
住まいに近く、地域に密着している業者であれば、よりすばやく、きめ細かいアフターサービスに期待がもてます。
家が古くなってきたので建て替えかリフォームかで迷っています。どちらが得でしょうか。
築年数や傷み具合によって異なりますが、全体的に強度を失い全面改装になる場合は建て替えた方がよいでしょう。
一戸建て住宅の場合、築年数が20年前後になってくると、年数に伴う老朽化の問題が起きてきて、大がかりなリフォームが必要になってきます。
リフォームの方がよい理由としては、
逆に、以下のようなケースは、建て替えた方がよいでしょう。
リフォーム工事の予算オーバーの防止法は。
事前に床下や天井裏などをきちんと調査しておくとともに、工事途中の追加や変更は避けることが予算オーバーの防止につながります。
予算計画はリフォーム成功への第一歩。
追加工事など予定外の出費で予算オーバーにならないためにも、事前にしっかり考えておきたいもの。
リフォーム工事は壊してみたら、予想以上に傷みがひどく、その修復に追加工事が必要になる場合もあります。なかでも多いのが、柱や梁の取替えや補強、給排水管の改修など。
このようなケースは工事にかかってはじめて分かることが多いので、事前に床下や天井裏などをきちんと調査しておきましょう。
また、リフォームは見ているところで工事が進むため、つい「ついでにここも」「ここはこうしたい」などと、工事の追加や変更を依頼してしまいがちです。
素人からは簡単にできそうに見える工事でも、材料が多くかかったり、めんどうな作業になることもあります。
できるだけ、工事途中の追加や変更は避けること、それが予算オーバーの防止につながります。
また、工事費以外にも一般的に次のような予算を見込んでおく必要があります。
・仮住まいの家賃や引越し費用、トランクルーム代など
工事期間中に仮住まいをする場合は、家賃の他に礼金や仲介料、引越し費用も2回分必要です。
・近所への挨拶費用
両隣や向かいの家のほかにも、工事車両の出入りで迷惑をかけそうなところにも挨拶をしましょう。
・工事の職人への茶菓子代
工事現場が住まいから遠いなどの場合にはケースバイケースで。大手工事業者は不要とのことです。
信頼できて予算に合って評判がいい…、そんなリフォーム会社を自分で探すのは大変です。
ホームプロでは加盟会社を中立の立場でご紹介しています。
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利用者数
※2022年4月〜
2023年3月
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※2019年2月リフォーム産業新聞による
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