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住宅の断熱改修・断熱リフォーム、工事費用の目安は?

  • 最終更新日:2019-07-18

住宅の断熱改修・断熱リフォーム、工事費用の目安は?

室内が快適になるだけでなく、光熱費が安くなるというメリットもある断熱リフォーム。断熱リフォームと一口にいっても、断熱リフォームを施工できる箇所は外壁や天井・床などさまざまあり、戸建かマンションかによって条件が異なるなど、工法や使用する断熱材もさまざまです。今回は住宅の断熱リフォームの種類や断熱材、費用の相場などについて詳しく見ていきましょう。

外断熱のリフォーム費用の相場について

断熱リフォームは建物内の熱移動をカットし、室内を夏は涼しく、冬は暖かく保ってくれる人気のリフォーム。「断熱リフォーム」には外壁に断熱塗料を施したり、断熱材を埋め込んだりする「外断熱」や、それぞれ天井や床を断熱化する「天井断熱」「床断熱」、また内窓などを設置する「内断熱」などさまざまな種類があります。

断熱リフォームの中でも特にダイレクトに熱や寒気を遮断する「外断熱」は人気ですが、施工面積が広いため費用が気になるという人も多いのではないでしょうか。外断熱リフォームにも工法がいくつかあります。工法別の内容と費用相場について見ていきましょう。

外張り断熱工法

現在の壁に断熱材を外から張る「外張り断熱工法」。外から家全体を断熱材で覆うため室内には影響がなく、外側から状態が確認できるため、施工後のメンテナンスもしやすいというメリットがあります。一方で外壁材の解体が必要となるため、大掛かりな工事になります。外壁張り替えなどほかのリフォームとセットで行うとよいでしょう。

費用相場は約7,000~9万円/平方メートルで、一般的な住宅であれば約70〜90万円程度、外壁材とセットで行う場合は約110万〜150万円前後となります。

充填断熱工法

室内側の柱と梁の内側に、グラスウールなどの断熱材を敷き詰めて行う断熱工法が「充填断熱工法」です。壁のクロスやパネルを剥がして室内から施工します。

費用相場は約5,000~1万円/平方メートルで、一般的な住宅であれば約50万〜100万程度です。

断熱塗装

外壁に断熱性のある塗料を散布するのが「断熱塗装」で、壁を解体せず断熱リフォームをすることができます。断熱塗装は外壁に当たる太陽熱をカットし熱をため込んで伝導しにくくする性質があり、防音効果も期待できます。特に夏の暑さなどに効果的といえます。また断熱塗装に使われる「断熱塗料」と混同しやすい「遮断塗料」もありますが、こちらは熱を反射する塗料で、伝導率を抑える効果はありません。また断熱塗料のような保湿性や防音効果もありません。

費用相場は約5~8,000円/平方メートルで、90平方メートルの住宅であれば約45〜72万程度ですが、足場の設置や高圧洗浄などで費用が100万前後になることもあります。

断熱塗料の価格は高いのか?

壁の解体が不要なことから人気の断熱塗装。断熱塗料とそれ以外の塗料では、どれくらい価格に差があるのでしょうか。

断熱塗装は一般的な塗料で塗装した場合と比較し1.5倍ほどの費用がかかります。施工可能な会社もある程度絞られ、ほかの塗料に比べてどうしても価格競争が少ないというのが現状です。

断熱塗装は最初のコストは高めですが、一度塗ると寿命は13〜15年と一般的な塗料と比較し長めです。また断熱塗装だけでもある程度の断熱効果は期待できますが、断熱材との組み合わせで高い断熱効果を発揮します。

断熱リフォームの主な材料

断熱材は内部に空気を固定することで熱を伝えにくくしており、空気を固定する方法によって断熱材の素材にはそれぞれ異なった特徴があります。

断熱リフォームに使われる材料は「繊維系」「発泡プラスチック系」素材に分かれ、さらにそこから原料や製法によって細分化されています。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

【鉱物繊維系の断熱材】グラスウール断熱

グラスウールは極細のガラス繊維でできている素材で、現在断熱材としては一番多く使われている素材です。

比較的安価でありながら軽量で防音性が高い、不燃性である、施工が容易であるなどのメリットがあるほか、そもそもガラス繊維のためシロアリなどの害虫が寄り付きにくい素材です。その防音性の高さから、音楽ホールやシアターなどの壁の多くに、グラスウールが使われています。

直接肌に触れることはほとんどありませんが、もし繊維が肌に触れた場合はチクチクとした刺激を感じることがあります。また国内の基準以下ですが、ホルムアルデヒドなどの有害物質を含むというデメリットもあります。

【鉱物繊維系の断熱材】ロックウール断熱

ロックウールは鉄炉スラグや玄武岩などを高温で加工された石綿の一種です。防音性の高さや不燃性などグラスウール同様のメリットがあり、アスベストの代替品として広く使用されています。ビニール袋に包まれた形状で、素材そのものが水分を抱えることがなく撥水性が高いことが特徴で、廃棄する場合も特殊な処分手順が不要というメリットがあります。

グラスウール同様、肌に触れるとチクチクした刺激を感じたり、有害物質を含むというデメリットがあります。

【その他繊維系の断熱材】セルローズファイバー、羊毛、ポリエステル

セルローズファイバーは綿や新聞・ダンボールなどのリサイクル、羊毛はウールブレスとも呼ばれ羊毛を利用した断熱材です。比較的高価ではありますが、天然繊維で人気が高く、防音効果のほか湿性に優れており、結露に効果的といわれています。

有害物質を含まない、小さなスペースにも充填可能など多くのメリットがありますが、天然素材のため防腐剤や防虫剤を材料そのものに散布する必要あり、また専門会社による施工が必要になります。

ポリエステルは主にペットボトルのリサイクル原料が使われています。もともとの原料は石油ですが、そのためセルローズや羊毛のように防腐剤などを使う必要がありません。

【発泡樹脂系】ポリスチレンフォーム

ポリスチレン樹脂と発砲泡剤・難燃剤を混ぜ合わせて発泡させながら押し出して成形するポリスチレンフォームで、ボード状の形状をしています。軽量で加工性に優れ、水や湿気に強く基礎断熱でもよく用いられる材料です。またホルムアルデヒドを含んでいません。

ボード状のため、小さな隙間や複雑な形状には不向き・可燃性であるなどのデメリットがあります。

【発泡樹脂】フェノールフォーム

フェノール樹脂に発泡剤・硬化剤などを加えてボード状に形成したものがフェノールフォームです。断熱性が高く経年劣化がしにくい特徴があり、130℃までの耐熱性や耐燃性が高く、燃えても有害ガスが出ないというメリットがあります。

フェノールフォームもボード状の形状をしているため、小さな隙間や複雑な形状には不向きで、比較的高価であるというデメリットがあります。

【発泡樹脂系】ウレタンフォーム吹き付け断熱

ウレタンフォームはリイソシアネートとポリオールを主原料とし、発泡剤や触媒などを混ぜて生成したものです。水や湿気に強く軽量であるという特徴があり、気泡には熱伝導率の極めて小さいガスを含んでいるため断熱性が高く、吹き付けるだけでも十分に断熱効果があります。また「自己接着性」というほかの断熱材にはない特長があり、金属・合板・コンクリートなどの表面でも、吹き付けるだけで接着することができます。吹き付けタイプなのでわずかな隙間でも充填が可能で、ホルムアルデヒドは含んでいません。

一方、吹き付けには専門会社による施工が必要となるため、コストが高い傾向にあります。

床下断熱リフォーム基礎の外断熱と内断熱の費用と違い

冬の寒さが気になったら、床下断熱リフォームが効果的です。床下断熱リフォームには基礎の外断熱と内断熱がありますが、基礎の外断熱は外側からの外気を取り入れないため、基礎コンクリートが冷えにくくなります。また夏は内側の冷気が基礎であるコンクリートまで届くことで涼しいと感じ、内断熱よりもより断熱効果が高いといえます。

費用的には外断熱の方が配線配管などとの調整で施工が複雑なことやシロアリ対策などで20%程割増になるケースが多いようです。8畳程度の広さであれば、約4~7万円が相場となります。

また内断熱の場合は床材を一旦剥がして行うため、床材の張り替えもセットで行った方がお得となります。

建物タイプ別・断熱リフォーム費用の相場

断熱リフォームの施工箇所は外壁や床・天井などさまざまですが、建物の種類によってリフォーム箇所に制限があります。建物別に断熱リフォームが可能な箇所や相場費用の相違について見てみましょう。

一戸建て住宅の場合

一戸建て住宅は断熱リフォームができる箇所に制限がなく、家のあらゆる場所のリフォームが可能です。家全体の断熱リフォームをした場合は約350~600万円程度が相場となります。

また解体費用が一度で済むために断熱リフォームと一緒に耐震リフォームなど、ほかのリフォームを同時に施す人も多いようです。耐震リフォームもセットで行う場合は、追加で約40~110万円の費用のほか、耐震診断費用約10~20万円が必要となります。

マンションの場合

マンションでは自分が住んでいる部屋でも、ほかの部屋と統一されている玄関や窓、構造材など共有部分については勝手にリフォームをすることができません。マンションで施工可能な断熱リフォームは基本的に占有部分のみとなり、「床」「室内壁」「天井」「内窓追加」が可能です。

使用する素材やマンションの構造によっても異なりますが、マンション一戸あたり断熱リフォームの相場は120万〜500万程度となります。

断熱リフォームの効果

夏は涼しく、冬は暖かく室内を保ってくれる断熱リフォーム。実際の効果はどれくらいあるのでしょうか。

冷房を同じ設定温度にしても室温が4℃違う【夏場】

一般的な住宅の場合、夏に冷房が入っていない状態の天井近くの気温は40℃以上。室内の体感温度は31℃程度になります。天井に断熱リフォームを施すことで、天井の温度は35℃程度、室内の体感温度は27℃程度にまで下がります。外壁や床下の断熱などと組み合わせれば、さらに断熱効果が高まるでしょう。

室内の温度が長持ちする

断熱=熱の移動を防ぐため、室内温度の急激な変化が少なく部屋の気温を一定に保ってくれます。断熱リフォームを行うことで朝晩の冷え込みを抑え、一日中室温を快適に保つことができます。また気温の差が少ないことは、健康にとってもよいとされています。

電気代が1万円以上節約できる

断熱効果によって、冷暖房がない状態でも冬は室温をより高く、夏はより涼しく保ってくれるため、冷暖房の使用が減少します。そのため毎月の光熱費が安くなり、特にオール電化住宅などでは1万円以上節約できるケースも少なくありません。

断熱リフォームの注意点

光熱費の削減や環境への配慮など、メリットがたくさんある断熱リフォーム。実際に断熱リフォームをする場合の注意点は、どのようなことがあるのでしょうか。

防湿対策はしっかりと行うこと

断熱リフォームを検討する際には同時に防湿対策もしておきましょう。結露を理由に断熱リフォームを検討する場合もあるかと思いますが、結露は熱だけでなくお風呂や料理、室内の洗濯干しなど、室内からの水蒸気も大きな原因です。断熱リフォームだけを施しても除湿が不十分であれば、結露が解決しない可能性もあります。

丁寧な施工をしないと効果はでない

断熱リフォームは小さな隙間などがあると十分な断熱効果を得られません。いくら断熱材本体の熱伝導率が低くても、熱は少しの隙間からどんどん熱を移動させていしまいます。施工時に隙間やズレがないよう、丁寧に施工することが大切です。

まとめ

室内で快適に過ごすことができ、環境にもよい断熱リフォーム。長期的に見れば対費用効果も高く、ぜひ検討したいリフォームです。適した断熱リフォームの種類や箇所・使用素材はそこに住む人によっても変わってくるので、家族構成や生活スタイル、また現在の悩みに合った断熱リフォームを検討してみてください。

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