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第三回、和室のしつらい 障子・襖、そして蔵

  • 最終更新日:2015-04-24

第三回、和室のしつらい 障子・襖、そして蔵

「日本の住まいは木と紙でできている」とは、中世に日本を訪れた外国人の言葉。障子やふすまの印象が鮮烈だったのでしょう。障子や襖は、和風住宅の佇まいを決める重要な要素のひとつ。じっくりと選びたいものです。

この夏、京都の町屋に住んでいる知り合いの家に遊びに行きました。外はうだるような熱さなのに、家のなかは風が通りぬけて涼しく、エアコンなしでも汗をかきませんでした。「家のつくりやうは夏をむねとすべし」と徒然草に書かれているように、昔ながらの日本の住まいは夏に戸や仕切りを開け放して風を通すつくりになっているんですね。今回は、住まいの表情を演出し、人の気持ちをやわらげてくれる障子やふすま、そして和室の趣を保つうえで欠かせない収納について考えてみました。

やわらかな光をとりこむ障子

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奈良時代には、ついたて型や、柱と柱の間にはめて壁状にしたものなど、光をさえぎるものを障子と呼んでいたそうです。現代では、外からの視線をさえぎるだけでなく、あかりをとりこむために使わていますよね。一時期、カーテンやブラインドに押されていた障子も、最近ではその良さが見直され、縁側と座敷の仕切りやガラス窓の内側に使われることが増えています。

障子の種類は、全面和紙張りの「水越障子」のほか、中央にガラスをはめ込んだ「額入障子」や、障子が上下にスライドして外の景色を楽しめる「雪見障子」、横の組子の数が多い「横しげ障子」、さらには幾何学模様や真っ黒な組子など、モダンな洋間にもしっくり合うタイプが登場しています。

障子は省エネにもつながります。障子の和紙は直射日光をやわらげるので、夏は冷房効率を高め、冬は外と接する窓ガラスの冷気を遮断して暖房効果を高めます。また、和紙は通気性があり、温度や湿度を適度に調節する効果もあるんですよ。

インテリアのキーポイントになる「唐紙」

障子があかり取りなら、ふすまは光をさえぎるのが目的。部屋の間仕切りや押入れの戸などに使われます。ドアに比べ圧迫感がなく、軽い力で開け閉めが可能です。

うちのおばあちゃんは、ふすまのことを唐紙(からかみ)と呼んでいました。中国から伝わった紙、つまり唐紙に文様を印刷や染色して組子の上に張っていたからだと思います。桃山時代には、極彩色に描かれた花鳥風月、墨の濃淡だけで描かれた山水など、画家たちが華麗さを競うキャンバスだったんですよ。
ふすまが組子の上に紙を張るのに対し、戸襖は板の上にふすま紙や壁紙を張ったもの。普通のふすまに比べ、重厚感があり、ある程度遮音性やプライバシーが確保できる点で優れています。

現代版「蔵」「納戸」のススメ

障子を通してお部屋に入った光は、ふすまや畳に反射して室内をやわらかな光で包み、独特の雰囲気をかもしだします。その光の調和をこわさないように、和室には家具をできるだけ置かないことが基本------昔のお座敷は実に広々としていましたが、その秘密は大きなモノを蔵や納戸にしまっていたからなんです。最近は欧米の生活スタイルをとりいれて、和室にも家具を置くようになり、その分開放感がなくなりました。和風の佇まいを保ちたいなら、大きな収納庫つくりたいものです。

うちの父が小さい頃、家に蔵や納戸があり、いろいろなモノを収納していたそうです。そこを“隠れ家”と呼んで遊んでいた、とうれしそうに話していました。そんな蔵や納戸をわが家にも…。といっても現代の住宅事情では難しいので、スペースを上か下に求めるのが得策です。思いきって地下室を、と言いたいところですが、そこまでできないので床下や天井裏を現代版「蔵」や「納戸」風に変えてみましょう。

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まずは、和室の床下に収納庫をつくるアイデアなんて、いかがでしょうか。よく出し入れするモノは取り出しやすい位置に置き、湿気を嫌がるものはプラスチックの密閉箱に入れておきます。

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もうひとつは屋根裏の活用。たとえば、瓦葺きのご家庭なら、中央の三角になった広い空間を納戸として利用。天井を補強して、普段使わないものを収納しておきます。天井にはトップライトを取りつけ、明るさを確保しましょう。スペースに余裕があれば、小さい机や趣味の道具を置いて、ロフト感覚の書斎ができあがります。ご主人やお子さんが一人の時間を楽しめる“隠れ家”になりますね。(終)

【参考文献】

和風住宅の知識(小林盛太著・彰国社)

「和」の住まいづくり(大沢匠著・経済同友会)

居心地のいい和風 暮らしを楽しむ家(楽しい部屋別冊・主婦と生活社)

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