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近年人気の対面キッチン(オープンキッチン)には、さまざまなレイアウトの種類があります。対面キッチンのリフォームを考える際、特に他のスタイルのキッチンから大きく変更する場合には、対面キッチンの種類やそれぞれの特徴を知っておくことが必要です。今回は、対面キッチンの種類やメリット・デメリット、費用相場、リフォームのポイントなどを詳しくご紹介します。
目次
対面キッチンとは、リビングと壁で仕切られていない、開放感あふれるキッチンスタイルのことです。リビング・ダイニングと対面する間取りなので、テレビを見ながら料理するなど、キッチンの外の様子や設備も楽しみながら作業できます。
一口に対面キッチンといっても、さまざまな種類のレイアウトがあるのをご存じでしょうか。
ここでは、対面キッチンのレイアウトの種類をご紹介します。
キッチンと壁が離れていて、まるで島のように独立している対面キッチンのことをアイランドキッチンといいます。
壁と接していないため、キッチンの周囲に遮るものがなく、とても開放感があるレイアウトといえます。
ペニンシュラキッチンとは、左右の一方が壁に接している対面キッチンのことです。
アイランドキッチンに比べると、壁に接している側の動きが多少制限されるものの、アイランドキッチンほどのスペースがなくても設置できるのがメリットです。
I型キッチンとは、コンロやシンクなどが横一直線に並んでいるキッチンのことで、壁付け・対面のどちらにも対応可能です。
対面キッチンとして使用する場合は、キッチンの正面にカウンター(腰壁)が設置されるため、オープンキッチンでありながら手元が丸見えにならない点に魅力があります。
L型キッチンとは、L字型に配置されたキッチンのことで、多くはシンクとコンロが90度で向き合う形になっています。
I型キッチンと同様、壁付けにも対面にも設置することができ、作業スペースを広く取れるのが利点のひとつです。
セパレートキッチンとは、コンロとシンクが分かれている(セパレートされている)キッチンのことで、コンロとシンクの配置になぞらえて「Ⅱ型キッチン」とも呼ばれます。
1列を壁付けにし、もう一方を対面とするなど配置の自由度は高いですが、2列分の設置スペースが必要です。
対面キッチンにリフォームすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。対面キッチンのメリットについて見ていきましょう。
一般的な壁付けキッチンの場合は、リビングやダイニングにいる家族や友人とコミュニケーションが取りづらく、1人で孤立して作業することが多くなりがちです。一方、対面キッチンは正面に壁などがないオープンな間取りなので、家族やゲストとの会話を楽しみながら家事をすることができます。
対面キッチンは、テレビを見たり音楽を聴いたりしながら家事をしたい場合にも便利です。
独立型キッチンやリビングに背を向けるレイアウトのキッチンでは、限られたスペースにテレビやスピーカーなどを置く必要がありますが、対面キッチンならリビングやダイニングから直接テレビや音楽を視聴できます。
カウンタースペースがある場合、食事を配膳しやすいことも特徴です。料理した人が食事をカウンターに置き、その他の人が食事を運ぶといった形で、家族みんなで食事の準備ができます。また、食後は食器を片付けやすいメリットもあります。
対面キッチンにリフォームすることで、開放感あふれるキッチンに生まれ変わります。よりオープンな雰囲気を味わいたいという方は、アイランド型のキッチンレイアウトがおすすめです。
ただし、アイランドキッチンを設置するにはある程度のスペースが必要です。間取りの制限を受けずに開放感を出したい場合は、ペニンシュラキッチンを選ぶ方法もあります。
対面キッチンにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
ここでは、対面キッチンにリフォームすることで起こり得るデメリットと、その対策についてご紹介します。
対面キッチンはダイニングと空間がつながっているため、遮るものが少なく、調理のにおいが広がりやすいというデメリットがあります。
消臭効果のある「漆喰」や「珪藻土」の壁にリフォームすることで、においの問題の解消につながるでしょう。漆喰と珪藻土は自然素材の壁材です。消臭効果のほか、部屋を快適な湿度・温度に保つメリットがあります。また、アレルギー対策にも有効です。
スペースが十分にない場所に対面キッチンを設置した場合、通路幅が狭くなってしまい、調理がしにくくなります。
1人で使用するなら約90cm、2人で使うなら約120cmの通路幅を確保できると、作業しやすい空間になるでしょう。
イメージだけでレイアウトを決めてしまい後悔することのないよう、事前にしっかりと検討することをおすすめします。
開放感が魅力の対面キッチンですが、キッチンの内部が外から見えてしまうゆえのデメリットもあります。
手元が丸見えのアイランドキッチンなどでは、置いたままの食器や調味料が散らかった印象を与えるなど、生活感が出てしまいます。
手元を隠したい方は、カウンターと腰壁を取り付ける「ステップ対面式キッチン」にしてみてはいかがでしょうか。腰壁があることで作業スペースを隠すことができ、調味料などを収めるスペースを確保することも可能です。
また、手元を隠せる高さのオープン棚を設置するのも良いでしょう。正面と左右に立ち上がり壁を取り付ければ、ダイニングから作業の様子が見えにくくなります。棚の部分は収納として使えるほか、飾り棚としても活用できます。
コンロの向こうに壁がないレイアウトのキッチンでは、調理した際の油はねがコンロの奥、リビングやダイニングの側に飛んでしまうことも。壁や家具が汚れるだけでなく、床が滑りやすくなることもあり、お子さんや年配の方がいらっしゃるご家庭では特に心配です。
対面キッチンの多くにはオプションとして「油はねガード」が用意されています。
視界を遮らない程度の高さになっていたり、透明なパネルやすりガラス風になっていたりと、キッチンの開放感もなるべく損なわないよう工夫されているデザインが多いのでおすすめです。オプション以外に、素材やデザイン、価格の選択肢が豊富な市販品のガードを活用する方法もあります。
対面キッチンにしたい気持ちはあるものの、失敗したくないことからリフォームすべきか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、対面キッチンのリフォームで後悔しないために押さえておきたいポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
壁付けキッチンから対面キッチンにリフォームすると、収納スペースが減ってしまうことがあります。対策としては、キッチンカウンターの下のスペースを有効活用し、収納棚をつくるのがおすすめです。
壁面収納を取り付けたり、吊戸棚を設置したりするのも良いでしょう。吊戸棚を設置した場合、キッチンとリビングの空間が分断され、開放感を損なうケースも懸念されます。デメリットも踏まえた上で検討してみてください。
対面キッチンに備え付けるカウンターは、テーブルや目隠しなどの役割を果たします。使い道によって最適な高さが異なることから、目的に合った高さにすることが重要です。手元を隠すために設置するなら約100cm、カウンターテーブルなら約85cmの高さが目安になります。
なお、収納棚を設置したり、カウンターにイスを置いたりする場合は、それらも考慮した上での高さ設定が必要です。キッチン台に立つ人の身長も踏まえつつ検討しましょう。
また、キッチンカウンターを設置する際は、置きたい物の大きさを確認し、最適な幅のカウンターを選択してください。
対面キッチンの標準的なサイズは、奥行き約70cm×横幅165~270cmです。対面キッチンをダイニングスペースとしても使用する場合は、約100cmの奥行きにする必要があります。
また、キッチンのサイズは、設置するスペースの広さも十分考慮しなければなりません。
最適なキッチンのサイズを自分たちだけで判断することは難しいため、リフォーム会社に相談しながら決めると安心です。
リフォームの際に気になるのが、費用と工期です。
対面キッチンのリフォームにかかる費用の相場と日数について、次にまとめました。
対面キッチンのリフォーム費用は、キッチンのグレードやレイアウトにより大きく異なります。
100万円以下のケースもある一方、選ぶ商品のグレードや工事内容によっては500万円を超えることも。一般的な相場としては、約150~200万円が目安です。
対面キッチンのリフォームで費用が高額になりがちなのが、レイアウトをアイランド型へとリフォームする場合です。もともとキッチンがあった場所の壁や床などの修復作業や部材にかかるコストがかさむ傾向にあり、その分の費用が上乗せとなるためです。
また、キッチンに追加するオプションが多い場合や、シンク・コンロの位置を大きく変えるケースなど、配管移動をともなう工事の場合も費用は高額になります。
リフォームにかかる日数も、施工の内容によりさまざまです。
小規模な工事の場合は3日程度で完了することもありますが、レイアウト変更をともなうケースでは、電気やガスの配線工事なども含めて最低でも約3週間は見積もっておく必要があります。
一般的な壁付けキッチンから対面キッチンにリフォームをする場合、工期の目安は約1ヶ月です。
ここからは、対面キッチンのリフォーム事例を見ていきましょう。キッチン設備はもちろん、床や壁、照明などとのバランスもぜひチェックしてみてください。
壁付けのI型キッチンを、対面キッチンへリフォームした事例です。あえて吊戸棚を設置せず、開放的なレイアウトにしています。シンクの手元はリビングから見えないよう少し高めに。背面にはキッチンと同じ扉材のカップボードを設置し、統一感を出しています。
【築年数】26~30年
【工期(全体)】2ヶ月
【家族構成】不明
事例の詳細:解放感のあるカウンターキッチン
水まわりとリビングのリフォームにともなうキッチンのリフォーム事例です。吊戸棚や袖壁をなくしてオープンなカウンターキッチンに。奥行きがある既存のカウンターは物が雑然としがちで使いづらかったため、リフォーム後はカウンター下の収納を採用しています。
【築年数】16~20年
【工期(全体)】1ヶ月
【家族構成】不明
事例の詳細:ディスプレイスペース付きの対面キッチン
壁付けキッチンをペニンシュラ型の対面キッチンにリフォームした事例です。「海を眺めながら夫婦での会話を楽しみたい」というご要望をかなえつつ、インテリアのようにダイニングに溶け込んだおしゃれなキッチンに仕上がっています。
【築年数】30年以上
【工期(全体)】2ヶ月
【家族構成】夫婦
事例の詳細:異国情緒感じるLDKの家具のような対面キッチン
中古住宅の購入にともなうキッチンのリノベーション事例です。配膳の手間を考慮し、ダイニングの近くにキッチンを配置。料理をしながら家族と会話を楽しんだり、テレビを見たりできるオープンキッチンになりました。壁側の窓から換気もできるレイアウトで、におい対策も万全です。
【築年数】30年以上
【工期(全体)】3ヶ月以上
【家族構成】夫婦、子ども1人
事例の詳細:いつでも家族の様子を見守れるキッチン
タイル壁とステンレス天板のキッチンから、無垢素材のペニンシュラキッチンへとリフォームした事例です。吊戸棚は圧迫感が出ないように収納棚を造作しておしゃれに。床はテラコッタ調のフロアタイルを使用して、暖かみのあるキッチンになりました。光の当たり方で表情が変わるモザイクタイルも空間に花を添えています。
【築年数】30年以上
【工期(全体)】2ヶ月
【家族構成】女性1人
事例の詳細:木のキッチン×モザイクタイルが映える美しいキッチン空間
壁に覆われ圧迫感のあったカウンターキッチンから、開放的でワークトップも広いペニンシュラキッチンへとリフォーム。木目調の素材をふんだんに使い、カフェのような雰囲気に。IHヒーターまわりには透明ガラスパネルを設置し、油はねや煙が広がるのを防いでいます。
【築年数】30年以上
【工期(全体)】2ヶ月
【家族構成】夫婦、子ども2人
事例の詳細:収納力抜群の木目調キッチン
壁に囲まれて暗かった独立型のキッチンをペニンシュラキッチンへとリフォームした事例です。キッチンを廊下側からリビング側へ移動するにあたり、配管工事も行っています。照明をダウンライトに変更したことで、光が遮られることなく、手元の作業がスムーズに。家族と顔を合わせながら料理や片付けができる、広くて明るいキッチンになりました。
【築年数】30年以上
【工期(全体)】1ヶ月
【家族構成】不明
事例の詳細:キッチンの間取りを変えて独立型から開放的な対面スタイルへ。
長年の汚れが気になっていた壁付けのキッチンから、II型のペニンシュラキッチンへとリフォームした事例です。シンクをリビング側にすることで、家族と会話しながら洗い物などができるように。コンロは壁側に設置し、油はねや煙が広がるのを防いでいます。あわせて、キッチンの床の段差解消の工事も行いました。
【築年数】26~30年
【工期(全体)】1ヶ月
【家族構成】夫婦、子ども1人
事例の詳細:シンクだけ対面にしたII型キッチンにリフォーム
壁に囲まれた独立キッチンから、ペニンシュラキッチンへリフォームした事例です。フラットなカウンターはダイニング側にも収納があり、キッチン背面のカップボードも含めると収納量はかなりのもの。キッチンがLDKの主役になるよう、素材感や色などにこだわったスタイリッシュなデザインも注目です。
【築年数】21~25年
【工期(全体)】2ヶ月
【家族構成】夫婦
事例の詳細:ラフで洗練された大人リノベ
対面型のシステムキッチンにはさまざまな種類があり、機能や仕様なども日々進化しています。
それぞれにお伝えしたようなメリット・デメリットがあるので、希望するシステムキッチンが自宅には不向きだったり、そもそも設置自体が難しい可能性もあります。リフォーム後に後悔しないためにも、対面キッチンのリフォームでは、ご自宅のレイアウトに合った種類の対面キッチンを選ぶことが重要です。
さまざまなキッチンを見てきたプロであるリフォーム会社に自宅のキッチンの現状を見てもらい、知識や経験を踏まえたアドバイスも聞きながら進めていけば、使い勝手のよいおしゃれなキッチンの実現も近づくでしょう。
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