新築から10年ほど経つと、玄関ドアの建て付けが悪くなったりクローザーが故障したりしだします。デザイン的にも古くささが気になるころで、玄関ドアのリフォームを考える方が増え始める時期です。しかし、いざ玄関ドアを選ぶとなるとこれがなかなか大変です。近ごろの玄関ドアは種類やバリエーションだけでなく機能が豊富で、新しいドアの選定に迷ってしまいます。そこで本記事では玄関ドアの種類と選び方、リフォーム費用の相場と工期について解説します。1日で工事が終わると話題の「カバー工法」もご紹介しますので、玄関ドアのリフォームを計画されている方はぜひ参考にしてください。
目次
玄関ドアは各メーカーたくさんの種類を準備しているので、選ぶのに迷うところです。少し選択肢を絞り込んだあとデザインやカラーバリエーションを選ぶと、スムーズに決定できます。
選択肢を絞り込むとき、まず最初に選んでいただきたいのが開き方です。大きく「引き戸タイプ」と「開き戸タイプ」の2つにわけられるので、まずここから絞り込んでいきましょう。
開き戸タイプは、一般的には洋風のイメージです。ドアを押したり引いたりすることで開閉します。右開き・左開きのどちらにも対応できますが、開くためのスペースが必要です。
気密性と防犯性に優れているうえ玄関間口が狭くても設置できるので、都市部の住宅やマンションで多く使われています。
扉が1枚の片開きタイプは、玄関ドアの中でもっともポピュラーです。近隣の住宅とデザインが同じにならないよう、チェックしてから選ぶといいでしょう。
引き戸タイプはドアを横にスライドさせて開閉します。和風の家は、引き戸にするとデザインが整いやすいです。
引き戸は車いすやベビーカーの出入りが容易で、年配者や幼児がいるご家庭に人気です。開き戸と違って開閉のスペースが要らないので、玄関ポーチが狭くても使えます。
引き戸は開き戸のように勝手に閉まらないので、全開にしておくと荷物の搬入の際にラクです。
開き戸には「1枚扉タイプ」と「2枚扉タイプ」があります。1枚扉タイプは「片開きドア」と呼ばれ、2枚扉タイプは左右非対称のものが「親子ドア」、左右対称のもの「両開きドア」と呼ばれます。
それぞれ、詳しくご紹介しましょう。
片開は玄関ドアの中でもっともよく使われているタイプで、デザインやカラーバリエーションが豊富です。比較的安価に買えるのも、魅力のひとつです。
扉は1枚で、他の開き勝手と比べてシンプルな造りです。間口が広く取れない玄関に適しています。
片開きは、右開き左開きのどちらにも対応できます。なお「丁番が右、ドア取っ手が左」のドアを右勝手と呼び、「丁番が左、ドア取っ手が右」のドアを左勝手と呼びます。
親子ドアは幅が違う2枚の扉(片開きドアと子扉)を組み合わせたドアで、子扉のぶんだけ片開きより開口面積が広くなります。
子扉を開放することで、大きな荷物でも出し入れしやすくなります。車いすの出入りも、片開きより容易です。
両開きドアは、幅やデザインが同じ2枚の扉を左右対称に組み合わせたタイプのドアです。重厚な雰囲気があり、両方開けることで解放感も演出できます。
大きな開口が取れるので、玄関に自転車やバイクを運び入れる方にとっては重宝するドアです。そのぶん、設置には広い玄関間口が必要です。
引き戸タイプの玄関ドアは、大きく分けると「引き違い・引き分け・片引き」の3つがあります。
「引き違い」と「引き分け」には建具が2枚のものと4枚のものがあり、「片引き」には建具が1枚のものと3枚のものがあります。玄関間口の寸法や用途に合わせて選びましょう。
建具が2枚の引き違い戸は、2枚の建具を左右にスライドさせて開閉します。引き戸の中では、お求めやすい価格帯の商品が多いです。
種類が豊富で、伝統的な和風デザインから現代風のモダンデザインまで幅広くラインナップされています。
建具が4枚の引き違い戸は、広い開口が取れるので出入りがしやすいです。ただし、かなり大きな玄関間口がないと設置できません。
4枚の建具が連なることで、ドッシリとした落ち着きのある玄関になります。
4枚引き違い戸と似た見た目ですが、両外の建具は固定されていてスライドできません。開口幅は、4枚建の引き違い戸並みに広く取れます。
採光性が高いデザインの製品が多く、内玄関を明るくできます。
引き分け戸と同じ開き方をしますが、両外が建具ではなく壁になっています。引き分け戸に比べて採光力は落ちますが、外から見たときにスッキリ見えます。
4枚引き違い戸や引き分け戸と同様に広い開口幅が取れるので、出入りしやすいです。
片引き戸の一種ですが、建具は3枚あって一番室内側が固定されています。一番外側の建具をスライドさせることで、真ん中の建具も連動して開きます。
2枚引き違い戸や引き込み戸より開口面積を有効活用できるので「あまり玄関間口は広くないがバリアフリーにしたい」という方に人気です。
内引き込み戸は建具が1枚で、室内側をドアがスライドして壁側に引き込むタイプのドアです。外側からドアの吊りレールが見えないので、外観がスッキリします。
外引き込み戸も建具が1枚で、室外(ポーチ)側をドアがスライドして壁側に引き込むタイプのドアです。室内側の壁面を下足箱置き場などに活用できます。
玄関ドアの開き勝手を決めることで、かなり選択肢がしぼられます。デザインや色を決めたい気持ちがはやるところですが、その前に素材も絞り込んでおきましょう。
玄関ドアは、金属製のものと木製のものがあります。それぞれ特徴がありますので、ご紹介しておきます。
現在、玄関ドアは「アルミ・鋼板・ステンレス」など金属製が主流です。アルミは軽い、鋼板は丈夫、ステンレスはサビにくいなど、金属の種類によって特徴が変わります。
金属の質感や光沢を活かしたモダンなデザインから、木目調のシートを貼ったナチュラルデザインのものまで、幅広くラインナップされています。
耐久性が高く長持ちしますが、断熱性能が低いものもあり注意が必要です。
木の風合いと経年変化が楽しめますが、傷がつきやすく塗装や補修などのメンテナンスが必要です。シロアリ対策も、定期的におこなったほうがよいでしょう。
木製ドアを使っている家は少ないので、オシャレで個性的な玄関を演出したい方におすすめです。
ただし、防火地域や準防火地域に建つ家には使えない木製ドアがあります。採用前に、よく確認しておきましょう。
玄関ドアのリフォームは、既存のドア枠を残しドアのみ変更する方法と、既存のドア枠を撤去して新規にドア枠から作り直す方法があります。
それぞれ、もう少し詳しくご紹介しましょう。
既存のドア枠を残して玄関ドアのみ変更する場合は「扉交換工法」と「カバー工法」の2通りのやり方があります。
「扉交換工法」は、既存のドア枠をそのまま使います。工期や工費を最も抑えられる方法ですが、ドア枠は古いままです。既存のドア枠に収まるドアが廃番になると、この方法は使えません。
「カバー工法」は、既存ドア枠はそのまま残して新しいドア枠で覆う工法です。壁や床の工事が要らないので「短工期・低予算」でリフォームできますが、開口寸法が約5cmほど狭くなります。
既存のドア枠が利用できない場合や開口寸法を変更したい場合は、既存ドアとドア枠を撤去して新しくドア枠から作り直します。
この方法なら、施主の要望や新規のドア寸法に合わせて開口を調整できます。ただし、ドア袖の壁が耐力上抜けない等の理由で、開口寸法を広げられないケースもあります。
ドアリフォームにどれぐらいの工期と費用がかかるのか、ご紹介します。
玄関ドアのリフォーム費用は「玄関ドア代+既存ドアの撤去費+施工費」の合計で算出します。ドア代と施工費はケースバイケースで、幅があります。
玄関ドアはドアの枚数が多いほど、開口面積が広いほど高くなります。断熱性能・通風機能・スマートキーなど、機能性を付加することもコストアップにつながります。
既存ドアの撤去費と施工費は、枠から変えるかカバー工法を採用するかで大きく変わります。以下に相場をご紹介しますが、最終的には見積もりを取ってご確認ください。
ドアのみを入れ替える場合
既存のドア枠を残しドアのみ入れ替えるリフォームの料金相場は「20~30万円」です。
比較的安く済むのが、既存枠をそのまま利用する「取り換え」工事です。既存のドア枠を撤去せず新しい枠で覆う「カバー工法」も、短納期・低予算で済みます。
間口を変更する場合
既存のドア枠を撤去して新規のドア枠から作り直す場合の相場は、おおよそ「40万円~」です。
この方法は、既存ドア枠を撤去する際にドア枠周りの壁や床を少し壊す必要があるので、壊した箇所の復旧工事も必要になります。
玄関ドアのリフォームには、どれくらいの期間が必要なのでしょうか。工期の目安をご紹介しましょう。
ドアのみを入れ替える場合
既存のドア枠を再利用する「扉交換工法」は、3時間程度の工事で終わります。既存のドア枠を新しいドア枠でおおう「カバー工法」も、半日から1日で工事が終わります。
どちらの工事方法も、施主に工期の負担が少ないのが魅力です。
間口を変更する場合
既存のドア枠が使えなかったり開口寸法を変えたりするときは、以下の順序で工事が進みます。
1から5までの工期は、おおよそ4日~1週間程度です。
最後に、玄関リフォームの実例を7つご紹介します。
物であふれていた玄関の収納力を増やし、暗かった印象を明るくした例です。玄関ドアは、丈が高くて採光窓が付いたものを採用しています。
事例の詳細:明るく収納の多い玄関にリフォームしました。
もともとクリーニング店の入り口だったところを玄関に改修した例です。外壁やサッシ、ポーチもトータルでコーディネートしています。
事例の詳細:伝統と先進がバランスよく調和した重厚感のある玄関に!
防犯性が高い採光ドアや、タッチキーを採用した例です。カバー工法による施工で、玄関ドアの工期は1日で完了しています。
事例の詳細:スタイリッシュで防犯性の高い玄関ドア
同居するご高齢者のために、ドアの開く方向を変えた例です。玄関収納キャビネットを大きくして、収納量も増やしています。
事例の詳細:玄関ドア交換で出入りをスムーズに
玄関ドアを高断熱のものに変えた例です。両袖付きだったドアを親子ドアに変え、新設した壁を利用して収納を設置しています。
事例の詳細:暖かみのある上品な玄関になりました。
建付けが悪くなった玄関ドアを交換した例です。西日対策でガラス部を少なくすると同時に、防犯ガラスを採用しています。
事例の詳細:シンプルで防犯性の高い玄関ドアリフォーム!
購入した中古住宅の玄関ドアの劣化が進み、勝手口も併せて入れ替えた例です。サイズや開き勝手はそのままにして、デザインを一新。建物の雰囲気に馴染んでいます。
事例の詳細:玄関&勝手口ドアリフォーム
玄関ドアにはいろいろな種類があり、選ぶのに迷ってしまいます。デザインやカラーバリエーションが気になるところですが、まずは開き勝手と素材から絞り込んでいくと選びやすくなります。
玄関ドアをリフォームする際、大きく3つの交換方法があります。それぞれ費用や工期が違うので、プロに相談したうえであなたに合った方法を選びましょう。
なお、今回ご紹介した納期や費用はあくまで目安です。ご自宅のドアの状況や依頼するリフォーム会社によって上下するので、なるべく複数社から見積もりを取って比較検討しましょう。
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※2019年4月〜
2020年3月
昨年度のご成約
※2019年2月リフォーム産業新聞による
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