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一般的に土壁には2つの意味があり、1つ目は、「土に藁や砂を混ぜて塗り固めた壁のこと」を指します。小舞(こまい)と呼ばれる竹を編んだ下地に、土に藁や砂、水などを練ったものを塗り込んでいきます。ここまでの段階を荒壁といい、その後に中塗りを経て上塗りをして仕上げていきます。
土壁に使われる土は、粘度の強い土を使用しダマがなくなるまでしっかりと練り、繋ぎに藁を混ぜ込んでいきます。藁の繊維が、針金のように絡み合うことで鉄筋コンクリートに似た構造になるのです。荒壁の後に、貫伏せ・ちり回り・斑直(むらなお)しをしてから中塗りへ進めるのが、土壁作りの中でも一番丁寧な作り方です。
土壁の2つ目の意味は、上記で述べたような「古くから使用されてきた塗装方法」そのものを指します。土壁は、昔ながらの日本の伝統技法であり、寺院などの建築に用いられることで広く伝わってきました。土壁には、聚楽(じゅらく)壁や大津壁、漆喰(しっくい)壁など様々あり、それぞれ完成までの工程が異なります。
土壁がどのようなものかを説明しましたが、土壁にすることのメリットはどんなところでしょうか?デメリットも併せて紹介していきます。
土壁にするメリットは、主に下記の3つの機能が優れている点が挙げられます。
・防火機能
土壁は主な材料が土や砂など無機質不燃材なので、防火機能が高いです。また発酵させた土を使用することで、さらに強度・耐熱が増していきます。火災が起きてしまった場合でも、ダイオキシン等の有害なガスは発生しないので、火元から他の場所への延焼を防ぐことができます。
・断熱機能
土壁の断熱機能は、土の持つ特性として蓄熱性や調湿機能との相互性により機能が発揮されます。蓄熱性が高い土壁は、暖房などにより暖められると熱を土に蓄えるので、暖房を消した後でも暖かさが持続します。また、調湿機能により、快適な温度が保たれます。
・調湿機能
土壁の調湿機能はとても優れており、梅雨時期など湿気の多い時には湿気を吸収、逆に乾燥している冬の時期には湿気を放出します。この仕組みにより、カビの発生を防いだり結露を防止したりできるのです。土壁には細かい気泡があるので空気の循環がよく、自然に外と中の空気が入れ替えられて、手間やコストをかけずに除湿、加湿が可能です。
土壁のデメリットは、下記の4つの点が挙げられます。
・リフォームの施工期間が長くなる
土壁の説明でも触れましたが、土壁は幾つもの工程で塗りと乾燥を繰り返していきます。乾燥は自然乾燥をさせるのが基本で、人工的に乾燥をさせるとヒビ割れを起こしやすくなるためです。天候によっても左右されるので、どうしても施工期間は長くなります。
・ヒビ割れが起こる
どんなに丁寧に作業して、しっかり乾燥させて仕上げても経年劣化によるヒビ割れは避けられません。また土壁の特性上、少ない衝撃でも影響をうけます。しかし、土壁は部分的に補修が可能で、速やかにヒビ割れを修復可能です。
・職人によって仕上がりに差が出る
土壁は多くの工程で塗りがありますが、この塗り方により強度が変わってしまいます。また仕上がりの美しさにも影響がでてきますので、元々の技術力だけでなく経験も重要です。リフォームを検討する際には、その辺りも考慮する必要があるでしょう。
・断熱効果が少ない
メリットに断熱機能を挙げましたが、土壁の断熱機能は畜熱性や調湿機能との相互機能によるところが大きいです。そのため、断熱効果のみで考えると断熱材を使用している建物と比べて効果は少ないといえるでしょう。ただ、快適な温度を保つことが重要ですので、「断熱効果が少ないイコール冬は寒い」ということはありません。
土壁は経年劣化によりヒビ割れが生じることがあるといいましたが、では、どのタイミングで補修すると良いのでしょうか?目安として下記の3つの点を確認してみましょう。
・カビがついている
土壁にカビを見つけたら、早急に補修をおすすめします。土壁は湿気を吸収、放出する調湿機能に優れていますが、それでもカビが発生することはあります。カビはアレルギーや喘息などを引き起こす原因となりますので、カビがついている部分はきちんと取り除きましょう。
・表面の砂や粉が触れていないのに落ちる
土壁の表面から触れてもいないのに砂や粉が落ちてくる場合、床に土埃が溜まる場合は、経年劣化がかなり進んでいる状態です。この状態では、老朽化で壁に亀裂が生じたり、剥がれ落ちてきたりする恐れもあります。早急にリフォームなどで補修をおこないましょう。
・ヒビ割れ
土壁の一番分かりやすい劣化がヒビ割れでしょう。土壁の水分が抜けて硬化し壁が収縮したり、地震等の衝撃が壁に影響を及ぼしたりすることで、ヒビ割れが起こります。
放置し続けると土壁が崩れてしまう恐れもありますので、早めに補修を行いましょう。簡易的に補修しただけでは、再びヒビ割れを起こす場合があるので、リフォーム会社などに相談してみるのもよいでしょう。
壁紙のリフォームにはどのような方法があり、壁紙にはどのような種類があるのでしょうか?具体的な種類や方法をご紹介します。
壁紙のリフォームの方法と種類ですが、下記の6つについて簡単に説明していきます。
・紙クロス
紙クロスは、その名の通り、紙を原料としたもので加工紙・和紙・紙布があります。和紙は素材に楮(コウゾ)や三椏(ミツマタ)などを使っているので、強度があり凝ったデザインなども制作されています。
・ビニールクロス
ビニールクロスは、素材がビニールのため、濡れぶきや洗剤の使用も可能でキッチンやトイレなど水回りなどでもお手入れが楽です。部分的な補修であれば、木工用ボンドなどで対応すること可能です。
・布クロス
布クロスは、素材や織り方など様々な種類があります。サテンやシルクの素材で高級感を演出したり、木綿や麻でカジュアルな感じを出したりと、部屋の雰囲気に合わせて使い分けることができます。
・木質クロス
木質クロスは、天然の木を極薄スライスし加工したものになります。天然木のため、木目や色など多少の違いはでてしまいますが、床や天井と一体感を持たせて癒しの空間をデザインすることも可能でしょう。
・漆喰(塗り壁)
漆喰は、特有の白さやきめの細かい質感、風合いが好まれています。原料に使われる消石灰が強アルカリ性なので、細菌などの殺菌および分解能力が高いです。ほかにもカビの発生を抑制し、防虫・消臭効果も期待できます。
・土壁/珪藻土(塗り壁)
珪藻土は、吸水性・吸湿性が抜群ですので湿気対策や結露防止にも有効です。珪藻土自体は固まる性質を持たないので漆喰またはセメントや合成樹脂など凝固剤と併せて使用する必要があります。
壁紙のリフォームには、費用や期間がどれくらいかかるのでしょうか?種類によってどれくらい違いがあるか見ていきましょう。
下記のそれぞれの種類のリフォームを行った場合の費用相場と期間をみてみましょう。
・紙クロスにリフォームした場合
紙クロスのリフォーム費用は、それぞれの素材1㎡辺りの単価で下記のとおりです。
・ビニールクロスにリフォームした場合
ビニールクロスのリフォーム費用は、それぞれの素材1㎡辺りの単価で下記のとおりです。
・布クロスにリフォームした場合
布クロスのリフォーム費用は、それぞれの素材1㎡辺りの単価で下記のとおりです。
・木質クロスにリフォームした場合
木質クロスのリフォーム費用は、木質無垢友ぴ既製品が1㎡辺りの単価で3000円~となります。
・漆喰(塗り壁)にリフォームした場合
漆喰の場合のリフォーム費用は、ビニールクロスの3倍~5倍が相場です。
・土壁/珪藻土(塗り壁)にリフォームした場合
珪藻土の場合のリフォーム費用は、漆喰と同様にビニールクロスの3倍~5倍が相場です。
リフォームにかかる期間は、張り替えを行う範囲や材質により異なるため、リフォーム会社などに相談し、お見積もりを出してもらうとよいでしょう。
どのような壁紙リフォームができるのかイメージをしやすいように、実際にリフォームした方の事例をご紹介します。
以前とは異なる木質クロスの壁紙にすることで、部屋のイメージを一新しました。壁の壁紙を天井とは別の色合いにすることで、ちょっとしたアクセントとなっています。
事例の詳細:壁紙の貼り替え
ご夫婦の寝室なので、リラックスしておやすみいただけるように、色合いは落ち着いたブルーの壁紙を採用しました。無地ではなくデザインクロスを使用することで、天井や床とも馴染みのよい風合いに仕上げています。
事例の詳細:デザインクロスで好みのベッドルームへ!
子ども部屋として使用している和室の土壁をクロスへリフォームしました。ビニールクロスでは、梅雨時期の湿気で畳が傷んでしまうので、透湿性のよいクロスを採用し張り替えました。
事例の詳細:子供部屋のリフォーム
土壁について、メリットやデメリット、リフォームの方法や種類など実例も含めて紹介してきました。土壁の魅力を知ることで、リフォーム後のイメージもしやすくなったのではないでしょうか。
自分や家族の健康を気遣って自然素材を使った部屋にしたい、間接照明を取り入れて和モダンな部屋を演出したいなどのニーズが増え、土壁の人気は高くなっています。
土壁ブームの今が、リフォームにチャレンジする機会かもしれません。今回の記事を参考に、土壁へのリフォームを検討してみてください。
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※2019年2月リフォーム産業新聞による
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