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壁の断熱材、特徴や施工方法、注意点を紹介

  • 最終更新日:2019-07-10

壁の断熱材、特徴や施工方法、注意点を紹介

外気温の影響を和らげて家の温度を一定に保ち「夏涼しくて冬暖かい家」を実現するのが断熱リフォーム 。 断熱リフォームは壁に断熱材を施工することで実現します。 断熱材の特徴や施工方法を知り、一年中快適な家を目指しましょう。

壁の断熱材は、グラスウール等の繊維系と発泡プラスチック系の2種類

断熱材は「繊維系」と「発泡プラスチック系」の2種類に大別されます。
繊維系は細い繊維の間に空気を閉じ込めた断熱材。
木造住宅の断熱工事でよく使われるグラスウールも、繊維系断熱材の一種です。

発泡プラスチック系断熱材は、軽くて吸水性が小さく、高い断熱性を持つ一方、費用は繊維系に比べると高くなります。

下記に、各断熱材の詳細について詳しく解説しています。
【寒いままかも】床下断熱のDIYは施工が難しいので注意!

断熱材の費用は1平米あたり500円から3000円以上するものまでと様々。
壁に断熱材を入れるためには、壁の解体、補修、下地貼り、仕上げ材の施工まで必要になるため、トータルの工事費用は1㎡あたり7000円から15000円程度になります。

また、室内側に断熱材を充填する方法の他、外壁すべてを断熱性能を持つサイディングなどに張り替える張替え工法もあります。
この方法はさらにコストがかかり、一般的な一戸建ての場合、180万円から300万円程度必要になります。

その他、工事が不要な「断熱壁紙」を貼る方法もあり、こちらは自分でも手軽に施工できます。
ある程度の効果は見込めますが、耐久性が低いことがデメリットです。

壁の断熱材の工事方法は「充填断熱」「外張り」「吹込み」の3つ

壁の断熱工事の方法は「充填断熱工法」「外張り工法」「吹込み工法」の3つがあります。

充填断熱工法

木造住宅で最も多く用いられるポピュラーな工法。
壁の中の柱と間柱の間にボード状またはシート状の断熱材を入れたり、機械で断熱材を吹き込み、充填していきます。
グラスウールやロックウールなど繊維系の断熱材がよく用いられます。
メリットは、比較的施工価格が安さ、使える素材の種類が多さ、外壁の仕上げへの影響の少なさです。
一方、ボード状又はシート状の場合、細かな場所などの施工が難しいことがデメリットです。

外張り工法

建物全体を断熱材で覆う工法です。
構造躯体の外側にボード状の断熱材を取り付けていきます。
断熱材は発泡プラスチック系が主に使用されます。
建物全体を断熱材で覆うため気密性能が高まり、結露しにくいことがメリット。
一方、比較的施工コストが高いこと、壁に厚みが増すため、施工できる場所が限られることがデメリット。

吹込み工法

粒状にした断熱材を、専用の機械を使って壁の隙間に吹き込む工法。
グラスウールやセルロースファイバーなどの繊維系の断熱材が使われます
細かいところまでまんべんなく施工できることがメリットです。
一方吸水してしまうとと重みでずり下がってきてしまうことがデメリット。
しっかりした結露対策が必須です。

壁の断熱材工事の注意点、グラスウールは「防湿」が重要

ここでは、断熱材の中でも最も普及しているグラスウールを用いた断熱工事の注意点を解説します。

グラスウールは、ガラスを高温で溶かし細い繊維状に加工したもの。
細かなガラス繊維がたくさんの空気を含み、その空気層で断熱する仕組みです。
軽くて施工しやすく、不燃性で、吸音性や耐久性にも優れています。
グラスウールの弱点は水分。
グラスウール内に水分が入り込んでしまうと、グラスウール同士がくっつき空気層がなくなってしまい断熱性能が落ちます。
さらにカビの温床になり、家の構造部にも悪影響を及ぼします。
そのためグラスウールの施工は何よりも「防湿」が大事になります。

施工の際には、防湿カバーで覆われている製品はカバーを破らないよう細心の注意が必要です。
防湿カバーで覆われておらず、グラスウールが露出している商品の場合、グラスウールを壁に充填した後、防湿シートを室内側にかぶせて張らなくてはなりません。

また、断熱性能を発揮させるためには、隙間なく施工することも大事です。
袋状の商品の場合、筋交いや、コンセントボックスなど壁を貫通している部分は、そのままでは使えません。
きちんと形通りに切り取って隙間なく充填してもらいましょう。

鉄筋コンクリート造や木造など構造体によって、適した断熱材は違う

住宅には木造のほか、鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨造など、様々な構造があります。
構造によって適した断熱材や断熱の工法が変わってきます。

木造の家の場合、コストパフォーマンスの高い内断熱の充填断熱工法が適しています。

一方、鉄筋コンクリート造は、木造よりも柱まわりから熱が伝わる「熱橋」が起こりやすいため、外断熱工法がおすすめです。
ただし、外断熱工法はコストがかかるため、内断熱での工事も選択肢に入れておきましょう。
鉄筋コンクリート造の内断熱での工事の方法には「断熱ボード貼り付け」と「発泡ウレタンフォーム吹き付け」の2種類があります。
「 断熱ボード貼り付け」は室内側に、硬質ウレタンフォームの断熱ボードを貼り付けていく方法。
「発泡ウレタンフォーム吹き付け」はコンクリートの躯体に泡状ウレタンフォームを直接吹き付けていく方法です。

コンクリートは熱伝導率が高く「温まりにくく冷めにくい」という性質を持っています。
そのため断熱工事を行っていないと冬に大変寒い家となってしまいます。
しっかり断熱工事を行いましょう。

壁の断熱リフォームをDIYで行う際の方法と注意点

ここでは、壁の断熱リフォームをDIYで行う方法を紹介します。
手軽なのは、断熱仕様の壁紙を貼るDIY。
現在の壁に重ねて貼るだけなので簡単にできます。

本格的に壁の断熱リフォームをする場合、壁の解体や仕上げも行うため、大掛かりなDIYとなります。
断熱リフォームのDIYで大事なのは、どんな断熱材を用いるのであれ、きちんと施工説明書通りに施工することです。
吸水してしまうと性能が落ちるグラスウールのように、断熱材は正しく施工しないと威力を発揮しません。

下記は、木造住宅におけるグラスウールのDIY方法です。

  • ・壁を解体します。
  • ・柱と間柱の間に、グラスウールを詰め込む。防湿シートに覆われているグラスウールの場合、室内側と外側が決まっているため、必ず確認します。
  • ・防湿シートの袋の耳部分を、構造体に対しタッカーで留めます。
  • ・筋交いやコンセントボックスまわりなどは、隙間に合うようにグラスウールをカットします。隙間なく詰め込んだあと、グラスウールの上から防湿シートを貼ります。
  • ・断熱材の上に、石膏ボードなど仕上げ材を貼っていきます。


断熱材は種類も施工方法も多様な上、施工には知識と技術が必要です。
さらに、仮にずさんな施工をされてしまっても、リフォームが完成してしまうと確認しようがありません。
そのため断熱リフォームは、実績のある信頼のおける会社に依頼することをおすすめします。

このページのポイント

壁の断熱材の工事方法とは?
「充填断熱工法」「外張り工法」「吹込み工法」があります。充填断熱工法は木造住宅で最も多く用いられる工法、外張り工法は建物全体を断熱材で覆う工法、吹込み工法は粒状の断熱材を機械を使って壁の隙間に吹き込む工法で、それぞれメリット・デメリットがあります。
(詳しくはこちら
壁の断熱材工事の注意点とは?
最も普及しているグラスウールを用いた断熱工事の注意点となりますが、グラスウールは水分にとても弱いため、「防湿」が大事になります。
(詳しくはこちら

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