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フルリフォームは新築のように住まいを生まれ変わらせることができる魅力的な選択肢です。しかし同時に、戸建てのフルリフォームとなると、「費用はいくらかかるの?」「リフォームでどこまでできる?」「建て替えとどちらがいいの?」といった、費用や進め方に関する疑問や不安も尽きないことでしょう。
今回記事では、戸建てフルリフォームの基本的な知識から、誰もが気になる費用相場、コストを賢く抑えるコツ、活用できる補助金制度、そして後悔しないためのリフォーム会社選びのポイントまで解説。関西・関東・東海で数多くのリノベーションやリフォーム、メンテナンスまで手掛けるアートリフォームの松吉さんにもお話を伺いました。
目次
はじめに、「フルリフォーム」とは具体的にどのような工事を指すのか、メリット・デメリットも併せて見ていきましょう。
「リフォーム」と似た言葉に「リノベーション」があります。
一般的に、「リフォーム」は老朽化した部分を修繕し、新築当初のような状態に戻す工事を指すことが多く、「リノベーション」は、元々の状態よりも性能や価値を向上させるような、大規模な工事を指す時に用いられることが多い言葉です。
どちらの言葉も明確な定義があるわけではないため、使う人やリフォーム会社、担当者によっても意味合いは異なります。そのため、契約前には必ず工事範囲や工事内容のすり合わせを行い、互いの認識にずれがないようにしっかりと意図を伝えておくことが重要です。
フルリフォームというと、住まい全体の壁紙や床を張り替えたり、設備を交換したりという表層的なリフォームのケースから、単なる原状回復にはとどまらず、構造躯体だけを残して間取りから全てを一新するような規模になるケースも少なくありません。フルリフォームとリノベーションはほぼ同義ではありますが、表層的なリフォームであっても、建物全体の工事を行うようなケースもフルリフォームとして捉え、今回の記事では解説していきます。
戸建てのフルリフォームを検討する場合、新築や建て替えという選択肢や、部分的なリフォームなどを並行して考える人も少なくないと思いますが、建て替えや部分リフォームではなく、フルリフォームを選ぶことにはいくつかのメリットが挙げられます。
1)新築・建て替えよりも費用を抑えられる
フルリフォームと新築・建て替えを比較すると、最も大きなメリットは、やはりコスト面です。フルリフォームの場合は建物の基礎や柱などを再利用するため、すべてをゼロからつくる新築や建て替えに比べて、費用を抑えることが可能です。
2)建て替えより工期が短い傾向にある
フルリフォームの場合、建て替えよりも工期が少し短く済むというのもメリットの1つです。工期が短くなると、その分仮住まいの家賃などの費用の節約にもつながります。
3)思い出や愛着のある部分を残せる
建て替えと違い、長年住み慣れた家の面影を残せるのも、フルリフォームならではの魅力です。全てを新しくする必要はないので、思い出や愛着を感じる部分は残しつつ、間取りや設備などは一新して住みやすい家にすることが可能です。
4)住まい全体に統一感が出る
部分的なリフォームの場合、リフォームをした箇所だけが新しく見えて、それまで気にならなかったほかの部分の劣化が気になってしまうケースも少なくありません。フルリフォームであれば、住まい全体をトータルに見直すため、表層的なリフォームであっても、住まい全体に統一感を持たせながら、状態を回復させることができます。
5)立地条件の良い物件を選べる(中古物件購入+フルリフォームの場合)
中古戸建てを購入してフルリフォームをするという選択肢であれば、新築用地を見つけるよりも、希望のエリアで見つけやすいケースが多いでしょう。中古物件を購入してフルリフォームするという選択肢を視野に入れることで、予算内で立地条件の希望がかなう可能性が高まります。
6)再建築不可物件でも対応可能
既存の建物が「再建築不可」の指定を受けている場合でも、フルリフォームであれば合法的に住み続けることが可能です。これにより、資産価値を維持し、希望のエリアでの居住を諦めずに済みます。
戸建てフルリフォームには多くのメリットがある一方、事前に把握しておきたいデメリットも存在します。
1)間取りの自由度に制限がある
フルリフォームは建物を支える上で重要な柱や壁(耐力壁)は、安易に撤去することができないため、新築や建て替えに比べると、間取りには制約が生まれます。完全に自由な設計を望む場合は、建て替えのほうが適しているかもしれません。
2)工事期間が長く、仮住まいが必要になる
フルリフォームは大規模な工事となるため、工事期間中は家で生活することが難しくなります。部分的なリフォームであれば住みながらのリフォームも可能ですが、フルリフォームの場合は仮住まいを用意する必要があり、家賃や引越し費用などのコストがかかります。
3)解体するまで正確な状態が分からないリスクがある
事前の現地調査(インスペクション)などである程度の状態は予測できますが、壁の中や床下など、見えない部分のすべてを完璧に把握することは困難です。予期せぬ問題が見つかった場合は、追加費用が発生する可能性もあります。
戸建てのフルリフォームを検討する上で、最も気になるのが費用ではないでしょうか。ここでは、戸建てフルリフォームにかかる費用の目安と、忘れがちな諸費用について解説します。
フルリフォームにかかる費用は、家の状態や工事の範囲、導入する設備のグレードなど、さまざまな要因によって大きく変動します。
「内装や設備交換のみの原状回復を目的とするようなフルリフォームであれば、1000万円以下の予算で行うことも可能ですが、構造躯体以外のみを全て解体するようなスケルトンリフォームになると、2000万円を超えることは珍しくありません」(アートリフォーム・松吉さん、以下同)
■フルリフォームにかかる費用の目安
工事の規模 | 費用相場 |
---|---|
表層リフォーム (内装・水回りの設備交換等) |
約600〜1000万円 |
配管や断熱材交換、間取り変更も伴うリフォーム | 約1000〜1500万円 |
スケルトンリフォーム | 約1500万円〜 |
※延床面積30坪程度の木造一戸建てのケースを想定
リフォーム費用というと、工事費用そのものにばかり目が行きがちですが、それ以外にも多岐にわたる諸費用が発生します。たとえば、仮住まいに必要な家賃や引越し代、住宅ローンを借り入れる際の手数料、契約書に貼る印紙税などです。これらを事前に予算に組み込んでおかないと、後で資金計画が狂ってしまうため注意が必要です。
フルリフォームにかかる費用はケースバイケースです。ここでは、どのくらいの予算で、どのようなリフォームを行えるものなのか、実際のフルリフォームの例を見ていきましょう。
※実例の費用はリフォーム当時の金額です。今後リフォームを行う場合の価格とは異なります。
洗濯機の位置やキッチンの向きなどを変更し、生活動線を改善。キッチンは対面にすることで収納力も格段にアップしました。フルリフォームですが、再利用できるものは活用することで、費用は抑えながら希望を実現することができました。
リビングの床はフローリングではなく石目調のタイルにしてコストカット。滑りにくくなったことでペットの脚の負担も減り一石二鳥(画像提供/アートリフォーム)
リビングにあった洗濯機置き場をサニタリールームに移動したことで、動線がスムーズに(画像提供/アートリフォーム)
■間取図
before(画像提供/アートリフォーム)
after(画像提供/アートリフォーム)
■DATA
築年数:11〜15年
リフォーム価格:800万円
施工会社:アートリフォーム
全面リフォームでは住まいのカラーイメージを一新。床や壁、建具などをホワイトで統一しました。キッチンはショールームで気に入ったパナソニック社のキッチンを採用。リビング・ダイニングは和室を壊して広々とした空間にし、床暖房なども取り入れています。
キッチンは人工大理石のカウンターが特にお気に入り(画像提供/アートリフォーム)
施工前は和室だったリビングには床暖房や壁面収納もプラス(画像提供/アートリフォーム)
■間取図
before(画像提供/アートリフォーム)
after(画像提供/アートリフォーム)
■DATA
築年数:16〜20年
リフォーム価格:1100万円
施工会社:アートリフォーム
リビングの狭さや収納効率の悪さなど、ストレスを感じていた部分の解消を目的に住まいのフルリフォームを進めました。壁を撤去したり、バルコニーを新設したりと間取り変更を行いつつ、設備も刷新。活かせるものは活かしながら、内装の色柄はガラリと変え、今の暮らしに合った居心地の良い空間になりました。
表しの梁(はり)があるリビングは、梁を塗装してイメージを変え、アジアンリゾートのような雰囲気に(画像提供/ホームプラザ大東)
広いバルコニーには高いフェンスを設け、プライバシーを確保。くつろげる空間に(画像提供/ホームプラザ大東)
■間取図
before(画像提供/ホームプラザ大東)
after(画像提供/ホームプラザ大東)
■DATA
築年数:11〜15年
リフォーム価格:1480万円
施工会社:ホームプラザ大東
長い間空き家だった実家を終の住処としてフルリフォーム。全面的に断熱材を充填(じゅうてん)し、窓も断熱性の高いものに入れ替え、1階全面には床暖房を設置しました。キッチンが独立した間取りは対面キッチンにしてLDKに変更。庭にはガレージを設け、そのまま家に入れるつくりになっています。
リビングを見渡せる対面キッチンには背面収納もたっぷり。独立した食品庫も新設しました(画像提供/アット・ホーム )
和式だったトイレは毎回泡で便器を洗うアラウーノに。掃除もラクになったそう(画像提供/アット・ホーム )
■間取図
before(画像提供/アット・ホーム )
after(画像提供/アット・ホーム )
■DATA
築年数:30年以上
リフォーム価格:1998万円
施工会社:アット・ホーム
当初検討していた新築は予算などのハードルで断念。しかし、実家の近くで築51年の中古戸建てを発見し、フルリフォームで夢のマイホームを実現させました。昭和感が漂う内装や間取りは一から見直し、1階は玄関から水回り、キッチン、LDK、和室と回遊できる動線に、2階は家族個々の部屋に加え、収納なども充実した間取りに変更しました。
台所、和室、洋室と分断されていた1階の間取りを刷新(画像提供/光テック)
子どもの道路への飛び出しを防げるよう、ポーチ部分を増築して玄関の位置を変更(画像提供/光テック)
■間取図
before(画像提供/光テック)
after(画像提供/光テック)
■DATA
築年数:51年
リフォーム価格:2200万円
施工会社:光テック
戸建てフルリフォームの費用はさまざまな要因で変動しますが、費用を左右する具体的なポイントを理解することで、予算内で理想のリフォームを実現するためのヒントが見えてきます。
最も直接的に費用に影響するのが、工事の規模や範囲です。内装だけを一新するのか、外壁や屋根まで含めるのか、あるいは、柱や梁だけを残して全てを解体するスケルトンリフォームにするのかによって、費用は大きく変わります。当然ながら、工事の範囲が広ければ広いほど、材料費も人件費も多く必要になります。
建物の劣化状況も、費用を大きく左右する要素です。特に築年数が古い物件ほど、注意が必要です。
「設備の不具合や屋根や外壁の劣化、ライフステージの変化などの要因で、築20年超程度でフルリフォームを検討される方は少なくありませんが、築20年程度であれば、表層的なリフォームでも問題はないケースが多く、予算を抑えてのフルリフォームも可能です。ただし、屋根や外壁なども併せてリフォームをする場合は、その分費用がアップします。
また、築40年を超えるような場合になると、耐震性や断熱性能に不安や不満を感じている方も少なくありません。スケルトンリフォームを検討したほうが良いケースも多くなるため、築年数が古い場合は、築浅のケースよりもリフォーム費用は高くなる可能性があります」
また、築年数が古い家になると、解体後に、構造部分の腐食やシロアリ被害、雨漏りによる下地の劣化、基礎部分のひび割れなどといった問題が発見されるリスクも高まります。そのような不具合が発生すると、補修のための追加工事が必須となり、まとまった額の追加費用が発生する可能性があります。
(画像/PIXTA)
間取りの変更は、フルリフォームの醍醐味の1つですが、費用アップの大きな要因にもなります。
「フルリフォームの場合、間取り変更を希望する方は多く、壁の撤去や新設、水回りの移設などを行う場合は、間取り変更を伴わないケースよりも費用はかかります。特に水回りの移設は配管工事を伴うため、大胆に移設するような場合は費用がアップする可能性が高いです」
キッチン、浴室、トイレ、洗面化粧台といった住宅設備の価格は選ぶグレードによって価格が大きく異なります。 例えばキッチンであれば、シンプルな機能のI型キッチンなら50万円程度からありますが、食洗機や最新のIHヒーター、タッチレス水栓などを備えたアイランドキッチンになると200万円を超えることもあります。選ぶメーカーや製品のグレードによって総額は大きく変わってくると考えておきましょう。ご自身や家族のライフスタイルや予算に合わせて、必要な機能を見極めることが重要です。
空間のデザイン性や、使用する素材にこだわるほど、費用は上昇します。
空間に合わせて造作家具をオーダーしたり、無垢材のフローリングや輸入タイルなど、自然素材やデザイン性の高いものを選ぶと、材料費も施工費も高くなります。
現在の耐震基準を満たしていない古い木造住宅(特に1981年6月以前の旧耐震基準の建物)の場合、フルリフォームのタイミングで耐震補強工事をするのが安心です。耐震診断を行い、適切な補強工事を選択する必要がありますが、工事には100万円〜250万円程度の費用がかかることが多いでしょう。
また、快適性や省エネ性能を向上させる断熱改修は、長期的な視点で考えると光熱費削減などのメリットがありますが、工事費用として数十万~数百万円の費用がかかります。 「断熱工事と一口に言っても、断熱材を壁などに充填するような工事と、部分的に室内窓を設置するような工事では費用は変わります。住む方がどこまでを求めるかによりますが、予算や必要性に応じて工事内容を選択することになります」
これらの工事は補助金制度が利用できるケースも多いので、後述する補助金の項目もご確認ください。
見落としがちなポイントですが、リフォームを行う建物の立地条件も工事費用を左右します。
「例えば、敷地に面した道路が狭く、工事車両や重機が入れない場合、資材の搬入を手作業で行う必要があり、人件費が余分にかかります。また、隣家との距離が近い住宅密集地などでは、騒音や振動への配慮から工事時間が制限されたり、足場を組むのが難しくなったりして、工期が延び、結果的に費用が上がることがあります。事前にリフォーム会社に相談し、現地を確認してもらうことが重要です」
(画像/PIXTA)
どのリフォーム会社に依頼するかも、フルリフォームの費用を左右する重要な要素です。
リフォーム会社によって、設計料や現場管理費といった諸経費は異なり、得意な工事や、建材・設備の仕入れルートも違います。リフォーム会社によって、設計料や現場管理費といった諸経費は異なり、得意な工事や、建材・設備の仕入れルートも違います。
同じ工事内容でも見積もり金額に差が出ることがあるので、見積もりの段階で複数社を比較しながら、見積もりの詳細をきちんと確認しておくと安心です。
限られた予算でも、ポイントさえ押さえれば、理想の住まいを実現することは可能です。ここでは、予算内で満足度の高いリフォームを実現するための6つのコツを見ていきましょう。
フルリフォームを計画しはじめると、あれもこれもと夢がふくらんでしまうものです。しかし、すべての要望をかなえようとすると、あっという間に予算をオーバーしてしまいます。
計画の際には、「絶対に譲れないこと」と「妥協できること」を明確に分け、整理しておくことがおすすめです。
予算をかけるべき部分と、コストを削る部分が見えてくれば、工事内容にメリハリをつけられるので、コストコントロールもしやすくなります。
リフォーム会社は、はじめから1社に絞らず、2〜3社から相見積もりを取りましょう。複数の会社を比較することで、工事内容ごとの大まかな相場がわかるようになり、不当に高い金額を提示してくる会社などを見抜くことができます。
また、相見積もりの際は、単純に金額を比較するのではなく、以下の点を総合的に判断し、信頼できるパートナーを選びましょう。
■見積書のチェックポイント
(画像/PIXTA)
デザインや間取りは、複雑になればなるほど工事の手間が増え、コストが上がります。
間取り変更もコストアップにつながるので、予算を抑えたい場合は必要最低限に留めるのが賢明です。
キッチンや浴室などの住宅設備は、リフォーム費用の中でも大きな割合を占めるため、この部分を見直すことで、大幅なコストダウンが期待できます。
最新設備や高級グレードの製品は魅力的ですが、本当にその機能が必要か、冷静に考えてみましょう。強いこだわりがなければ、少し前のモデルや、ショールームの展示品などを安く手に入れられる場合もあります。リフォーム会社に予算に合わせた代替案や、型落ち品などがないか相談してみるのも良いでしょう。
フルリフォームだからといって、全てを新しくする必要はありません。まだ使えるもの、愛着のあるものを活かすことで、コストを抑えつつ、住まいに個性を与えることができます。
構造的に問題のない柱や梁は、あえて残して見せるデザインにすることで、空間のアクセントになったり、古い建具なども取り入れ方によってはレトロで趣のある雰囲気を演出することができます。設備についても、今使っているもので新しい家でも使えるものは積極的に活用することで、費用を抑えることが可能です。
どうしてもフルリフォームをするには予算が厳しいという場合は、フルリフォームという選択肢自体を見直すことも一つの手です。
本当に家全体を一度に工事する必要があるのか、もう一度考えてみましょう。例えば、今回のリフォームでは不具合が起きている水回りと、リビングだけを優先して行い、ほかの部屋は数年後にというように、工事を分けて段階的に行うという方法をとれば、一度にまとまった出費を抑えることができます。長期的な計画を立てることで、無理のない資金計画で理想の住まいを目指すことが可能です。
フルリフォームは大きな出費ですが、住まいの省エネ性能の向上や耐震化、バリアフリー化など目的としたリフォームの場合、国や自治体が用意している補助金や減税制度をうまく活用することで、負担を軽減することが可能です。
今住んでいる戸建てフルリフォームで利用できる可能性のある代表的な制度としては、
などが挙げられます。
これらの制度の申請には条件や期間があるため、事前に情報を集め、早い段階でリフォーム会社にも相談するようにしましょう。
リフォーム補助金とは? 対象となる工事や各制度の詳細を徹底解説
また、減税制度については、リフォームの内容によっては、住宅ローン減税(住宅ローン控除)やリフォーム促進税制など、所得税や固定資産税が減額される制度を利用できます。
なお、これらの制度を利用するには、確定申告が必要です。適用には工事内容など様々な要件があるため、リフォーム会社や税務署、税理士などの専門家に相談することがおすすめです。
リフォーム・リノベーションの住宅ローン控除(減税)と優遇制度まとめ
フルリフォームは住まい全体の工事になるため、完成まである程度時間がかかります。スムーズに進めていく上で、全体の流れや期間を把握しておきましょう。
(画像/PIXTA)
フルリフォームの計画から完成までの期間は、短くても半年ほどはかかるイメージで考えておくと良いでしょう。
工事の状況などによって、予定よりも工期が延びてしまうこともあるので、スケジュールは余裕を持って考えておくのが安心です。
フルリフォームは住まい全体の工事になるため、完成まである程度時間がかかります。スムーズに進めていく上で、全体の流れや期間を把握しておきましょう。
工期が長くなるフルリフォームのケースとしては、建物の構造が木造ではなく、解体に手間がかかる鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合や、工事の内容が内装のみのリフォームではなく、外壁や屋根、耐震補強まで行うようなスケルトンリフォームの場合です。
「解体後に予期せぬ建物の問題が見つかった場合も、その補修などのために追加の工期が必要になります」
戸建てのフルリフォームでは、通常仮住まいが必要になると考えておきましょう。 表層リフォームの場合でも、騒音や粉じん、プライバシーの問題から、ずっと住みながらの工事というのは現実的ではありません。
仮住まいについては、リフォーム会社と契約し、工期が確定してから探すのが安心です。リフォーム会社によっては、仮住まい探しをサポートしてくれる場合もあるので、相談してみるのもよいでしょう。
フルリフォームの成功は、パートナーとなるリフォーム会社選びにかかっているといっても過言ではありません。
金額の安さだけで選んでしまうと、満足度の低いリフォームになったり、後々予期せぬトラブルにつながることもあります。ここでは、信頼できる会社を見極めるための5つのチェックポイントを紹介します。
まず確認したいのが、そのリフォーム会社の実績です。自分たちがやりたいリフォーム内容に近い実例が豊富にあるかどうかを確認するようにしましょう。
リフォーム会社と一口に言っても、水回りの交換が得意な会社、デザイン性の高いリノベーションが得意な会社、耐震・断熱改修に強みを持つ会社など、特徴はさまざまです。戸建てのフルリフォームの実績はもとより、自分たちが想定している予算感やデザインテイストがかなうかどうかなどを会社のホームページやホームプロのリフォーム事例などでチェックしておくとよいでしょう。
築年数の古い家などは、古い家の改修経験も確認しておくのが安心です。自分の住まいの改修に対応できるノウハウや提案力を持っているかどうかは、リフォームの成否に関わります。
複数の会社から取り寄せた見積書は、金額だけでなく、その中身をしっかり比較することが重要です。「工事一式」などといった大ざっぱな記載ではなく、数量や単価まで細かく記載されているかどうかは必ず確認するようにしましょう。また、追加工事の可能性があるかや、予期せぬ追加工事が必要になった場合の見積もりなどについて事前に必要があるかも確認しましょう。
信頼できるリフォーム会社であれば、見積もりの不明点について質問をしたときに、納得できるまできちんと回答してくれるものです。ごまかしたりせず、丁寧に説明してくれる姿勢は信頼できるかどうかの判断材料の1つになるでしょう。
プロの視点から+αの提案をしてくれるようなリフォーム会社に任せることができれば、フルリフォームの満足度はより高くなるはずです。
また、要望に耳を傾けてくれるのはもちろんですが、ただ聞くだけでなく、別の選択肢も提示してくれたり、こちらの要望に対して、良い面だけでなく、デメリットやリスクについてもきちんと伝えてくれる会社のほうが安心です。
リフォームは工事が終わればおしまいではありません。万が一の不具合に備えた保証や、定期的なメンテナンスといったアフターフォロー体制が整っているかどうかも、見逃せないポイントです。たとえば以下のような点を確認しておくといいでしょう。
リフォーム後も長く安心して住み続けるために、継続した関係を築いていく姿勢があるかどうかを事前に確認しておくと安心です。
繰り返しになりますが、見積もりを複数社から取ることは信頼できるリフォーム会社選びをする上で不可欠です。
見積もりを依頼し、各社の担当者と直接話すことは、その会社の姿勢や自分たちとの相性を見極める絶好の機会になります。 面倒に感じるかもしれませんが、この手間を惜しまないことが後悔を防ぐための堅実な方法と覚えておきましょう。
最後に、戸建てフルリフォームでよくある質問とその回答をQ&A形式でまとめました。
(画像/PIXTA)
A:以下のような人に、フルリフォームは特におすすめです。
フルリフォームは建て替えよりも費用を抑えることができ、愛着のある部分は残しながらも、原状回復だけでなく、新しい住まいへと生まれ変わらせることが可能です。
また、部分リフォームと比べると、フルリフォームのほうが、より住まいの変化を感じられるのもポイントです。
「部分リフォームよりもフルリフォームの場合は住まい全体に統一感が出るので、刷新感を強く感じられると思います。住まいを一新したいという方には向いていると思います」
また、中古戸建てを購入してのリフォームであれば、新築用地を探すよりも選択肢が広がるため、希望のエリアでの暮らしがかなう可能性も高くなります。
A:フルリフォームで利用できるローンには、主にリフォームローンと住宅ローンがあります。
中古物件の購入と同時にフルリフォームを行う場合は、物件の購入費用とリフォーム費用をまとめて住宅ローンとして借り入れるケースも少なくありません。
金融機関によってそれぞれ商品内容が異なるため、リフォーム会社や金融機関に相談してみましょう。
リフォームローンの特徴や賢い選び方は? 金利水準から減税制度まで一挙解説!
A:トラブルを未然に防ぐためには、事前の準備やコミュニケーションがカギとなります。
例えば、工事中の騒音や振動、工事車両の駐車などで、近隣トラブルに発展する可能性もありますが、そのような事態を防ぐには着工前のあいさつは必須です。
また、リフォーム会社と「言った・言わない」のトラブルを防ぐためには、必ず書面に残し、確認をすることが大事です。仕様の変更や追加工事が発生した場合は、その都度、変更契約書や合意書を取り交わすようにしましょう。
さらに、スケジュールが遅れるようなケースも問題になるケースが多いといいます。
「新居への引越しのタイミングが決まっているのに、工事が遅れてしまうとトラブルになりかねません。リフォームの場合は、解体してから補修工事などが必要になるケースもあるので、スケジュールに余裕を見ておくことが対策として有効です」
A:フルリフォームでは追加費用が発生することはそれほど珍しいことではありません。追加費用が発生するケースとして多いのは、解体後に判明した建物の劣化や不具合による追加の補修工事です。追加工事については100%予測することは難しいため、万が一の事態にも慌てず対応できるよう、余裕をもった予算設定にしておくようにしましょう。
A:築40年、50年といった古い家でも、構造体が健全であれば適切な補強や修繕を行うことで、安全で快適な住まいに生まれ変わらせることができます。ただし、基礎が著しく劣化していたり、地盤そのものに問題がある場合など、建物の状態によっては、フルリフォームよりも建て替えのほうが安く済むケースも存在します。
そのような場合はリフォーム会社に相談しながら、建て替えかフルリフォームかを選択しましょう。
(画像/PIXTA)
戸建てのフルリフォームは、決して安い買い物ではありません。しかし、限られた予算でも理想の住まいを実現させることは可能です。記事で紹介した、費用相場の把握、予算を抑えるコツ、リフォーム会社選びのポイントなどを参考に、フルリフォームの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
●取材協力
アートリフォーム
構成・取材・文/島田美那子
信頼できて予算に合って評判がいい…、そんなリフォーム会社を自分で探すのは大変です。
ホームプロでは加盟会社を中立の立場でご紹介しています。
2001年のサービス開始以来、多くのお客さまにご利用いただいています。
利用者数
※2024年4月~2025年3月
昨年度のご成約
ホームプロでは、これからリフォームされる方に“失敗しないリフォーム会社選び”をしていただけるように、「成功リフォーム 7つの法則」をまとめました。ホームプロ独自のノウハウ集として、多くの会員の皆さまにご活用いただいております。
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予算や条件にぴったりの会社をご紹介します。