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二世帯住宅には税制面において様々な特例措置が設けられていますが、特に節税効果が高いのが「相続税」といわれています。では、優遇を受けられるのはどんなケースで、どれくらい税金が安くなるのでしょうか?
親の土地に二世帯住宅を建てる場合、一定の条件を満たすことによって相続税の負担を軽くすることが可能です。
と、その前にそもそも相続税とは何なのか?国税庁によれば
相続税は、相続や遺贈によって取得した財産及び相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産の価額の合計額(債務などの金額を控除し、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を加算します。)が基礎控除額を超える場合に、その超える部分(課税遺産総額)に対して課税されます。この場合、相続税の申告及び納税が必要となり、その期限は、被相続人の死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。
(※参考:国税庁ホームページ「相続税のあらまし」)
とされています。つまり、土地や現金などを含めた遺産の総額から基礎控除額を引いた分に対して課税されることになります。
相続税はその基礎控除額の高さから、多くの人にとっては無関係のものとされてきた面もあります。相続人がひとりの場合、課税対象となるのは遺産の総額が6000万円以上を超えた場合。ひとりで6000万円以上もの資産を相続するケースはそれほど多くなかったためです。
しかし、2015年に相続税のルールが改定され、基礎控除額は従来の5000万円(+1000万円×法定相続人の数)から「3000万円+600万円×法定相続人の数」に変わりました。よって、3600万円を超える資産に対しては課税されることになったのです(※相続人がひとりの場合)。
遺産相続に大きな影響を及ぼすのが「土地を含む不動産の評価額」。相続額が大きいほど税金も高くなってしまうため、遺産相続という観点においては土地の評価額は低く抑えられたほうがおトクです。
前置きが長くなりましたが、いよいよ本題です。
二世帯住宅にすることで、なぜ相続税が軽くなるのでしょうか?
じつは二世帯住宅を建てることは、この「土地の評価額を下げる」という点で有効な手段なのです。二世帯住宅の場合は親と子が同じ敷地を使っているとみなされるため、「小規模宅地等の評価減の特例」が適用されます。この特例を使うと、330㎡までの土地であれば相続時の評価額を80%も減額できるのです。たとえば本来の評価額が2000万円の土地なら単純計算で400万円になるわけですから、その節税効果は絶大といえます。
もし将来的に実家の土地を相続する予定があるなら、親が健在の間に二世帯住宅リフォームを施し、同居をしておくことが望ましいのではないでしょうか。
ただし、気を付けておきたいのは「同居」の定義。二世帯住宅でもその構造によっては、同居とみなされない場合があるため注意が必要です。
ちなみに国税局による「同居」の見解は以下の通りです。
- 玄関がひとつである
- 建物内部で行き来ができる
- 世帯ごとに区分された構造になっていない
個々の世帯の独立性が高い二世帯住宅の場合、同居と認められないケースもあります。このあたりのルールは複雑で専門的な知識も要しますので、自身の希望する二世帯リフォームプランが「同居」の要件に該当するかどうか心配であればプロのアドバイスを受けることをおすすめします。
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