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今回、予算を500万円に想定した理由のひとつが、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会が発表した『平成28年度 第14回 住宅リフォーム実例調査報告』。これによると、500万円を超える中~高額リフォームの割合は、前年度に比べて増加しているそうです。
「リフォーム予算に設定されることが多いのは、300万円と700万円。目安としては、前者が水まわりすべてに手を入れられ、後者ならさらに生活スタイルに合わせた間取り変更や、和室から洋室への変更のほか、床や壁などの内装も新しくできる金額です」
これらの金額から200万円をプラス、もしくはマイナスすることで、どんなリフォームができるのでしょうか? 次項で早速、ご紹介しましょう。
(出典:平成28年度 第14回 住宅リフォーム実例調査報告)
Yuuさんによると、キッチンと浴室、洗面所、トイレといった水まわりのリフォームにかかる費用はおよそ300万円。ここからさらにLDKの内装や和室から洋室への変更を加えると、約500万円になるそうです。
「こうしたリフォームは一般的で、パッケージプランとして用意する工務店も多くあります。一通りキレイにはなりますが、せっかくならどこかに重点を置いたリフォームをしてみませんか?」
そう言ってYuuさんが提案してくれたのが、この「暮らし充実プラン」。
「たとえばLDKにこだわって、キッチンは対面式にして吊り戸棚をなくし、リビングに壁面収納と床暖房を設置。さらに、和室はクローゼットのある洋室に変更します。そうすることで、暮らしの中心となるLDKが広々として、片付けがしやすくスッキリ。毎日の暮らしが格段に充実しますよ。以上のリフォームにかかる費用は、約350万円くらいからですね」
床暖房を設置するとなると、床の断熱工事も行った方がよいそうで、これは約20万円。さらに窓の断熱のために必要な内窓は1箇所あたり約8万円で、たとえば3箇所なら約24万円となります。これにより、「冬暖かく、夏はエアコンが効きやすくなって、家族みんなが快適に過ごせますよ」とYuuさん。
「また、外壁塗装で家のデザイン性を向上させると、外出のたびに家を見るのが楽しみになります。外壁塗装は30~35坪の2階建てなら約100万円が目安なので、十分、予算内に収まりますね。このほか、ウッドデッキも楽しいリビングを演出してくれるのでオススメ。こちらは6畳程度で約30万円となります」
住む人のライフスタイルが変われば、家も変化していくもの。もし子供が独立する年齢となったなら、終の住処にリフォームすることを考えたい、とYuuさんは語ります。
「LDK、和室、主寝室、洋室×2は一般的な間取りですが、夫婦二人で暮らすとなると、手を入れたいですね。リタイアした後は二人きりの時間がグッと増えますが、思い思いに各自の時間を過ごすのも夫婦がうまく行く秘訣。そこで、互いのテリトリーを分けるためにそれぞれの書斎を作り、収納でひと部屋分を使うプランはいかがでしょうか? また、高齢になると、階段の上り下りには危険が伴うもの。ワンフロアで暮らすことも考慮して、1階の和室を洋室に変更し、いずれ寝室として使うのもよいでしょう」
また、このくらいの年齢なら、バリアフリー工事も必要となってくるそうです。
「バリアフリーの工事は、水まわりをリフレッシュする際に行うのがベスト。具体的には段差解消のほか、浴室の断熱性を高めてヒートショックを起こしにくいようにしたり、トイレに手すりを備えたりといった内容ですね。また、ペニンシュラ型と呼ばれる壁から突き出したスタイルの対面キッチンは、家族との会話も楽しめると人気ですが、回り込む動線となるので、高齢者には不向き。配膳しやすさを考えると、壁付けキッチンがオススメです」
Yuuさんが提案してくれた最後のプランは、住まいの基本性能を向上させるリフォームでした。
「長く快適に暮らしていくなら、耐震性と断熱性の向上は不可欠です。日本に住んでいる以上、地震に対する不安は常にありますし、断熱性を上げれば冷暖房も効きがよくなって、暑さ寒さ対策にもなりますから。費用を約30坪の戸建住宅で考えたとき、新耐震基準に満たない家の場合、基準を満たすための耐震工事を行うのにおよそ150万円~200万円。また、断熱工事は300万円程度が目安なので、合わせて500万円前後で可能なプランです」
「リフォーム工事は家族以外の人間が出入りするので、苦に思う人も少なくありません」と、Yuuさん。
「そのため、ある程度の工事をまとめられるのも、500万円リフォームの利点。100万円×5回の工事をするよりも効率がよく、仕上がりも断然キレイです。少しずつ手を掛けていくのも楽しいですが、ある程度の費用を準備できてからだと、より満足のいくリフォームになると思います」
ちなみに、こうしたリフォームの金額は、施工会社ごとに異なるものだとか。 「商品に定価はあっても、人件費や経費などは会社によってまちまちなので、複数の会社に相見積もりを取るのがオススメ。気軽に利用できるホームプロで、まずはリフォーム会社紹介に申し込んでみては?」
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